かなり前にかなり偉い人から異動させると言われていたので、今期でこのセクションともお別れか…と事あるごとに思ったりしたものだが、いざ蓋を開けてみると、辞令に自分の名前がなかったのであった。
二度見しても、おれの名は、ない。でも、奴の名は、ある。やっぱり、そういうことだったか。うん、これは、まー、言えないことなので、はっきりとは言わないけれど、問題を起こした奴を異動させた為に、おれの異動がなくなったのである。
そいつは、けっこう活躍していた。かつては、輝いていた。最近は落ち目だが、諸行無常、盛者必衰。こればっかりはどうしようもない。
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平凡なせいか、良いことがあれば、悪いことも起こると考える癖がある。実際には、よくわからない。大丈夫とみんなが言うものほど、実は危険なこともある。大抵、ピークに登ったときには、既に不幸せの種が蒔かれているものだ。
たとえば、某週刊誌は現在、無類の強さを誇る。ほぼ無敵である。攻撃力はすこぶる高く、防御力は鉄壁と言っても過言ではない。
一般人の自分から見たら、驚きの連続である。お笑いのキングをこうもあっさりと葬ってしまった手際の良さは、忘れられないニュースとなった。
名誉毀損に関する民事裁判では、真実かどうかは問題ではなく、真実相当性が問題とされる、らしい。となると、疑わしき者は私人に裁かれ引き摺り回されても、泣き寝入りするしかないことになる。それが、今の正義なのか。怖い世の中だ。