目次(抜粋)
第1章 なぜ、人は「怒り」にふりまわされるのか?
第2章 「アンガーマネジメント」の仕組みを知る
第3章 まずは、「なりたい自分」をイメージする
第4章 カチン! ムカッ! ときたときの感情の抑え方
第5章 記憶することで「怒り」を「見える化」する
第6章 自分の中に「怒りにくい仕組み」をつくる
第7章 自分の気持ちの「上手な伝え方」を身につける
個人的な、あまりに個人的な…
怒り
我々は“怒り”を選択している。本書の前提となる考えだ。うろ覚えだが、『嫌われる勇気』でも、同じようなことが書いてあった気がする。つまり、我々は条件反射で怒るわけではなく、あくまで、主体的に怒りを選んでいるのだ。
ということは、もちろん、ある手順を踏めば、怒りを選択しないで済む、感情をコントロールすることができる、となる。
怒りが発生するメカニズム
怒りは、ある出来事に遭遇したときに、心の中で、何らかの意味付けがなされることによって生じる。
たとえば、“~すべき”という自らの価値基準に反することをされたとき、人は怒りを選び、抗議する。その価値基準(認識)のことを、コアビリーフと呼ぶ。
怒りをコントロールするために
簡単に言えば、自分の見方が正しいという思い込みが怒りの発動要因になっている。要するに、相手が正しさに反していると感じることに問題がある。その認識を修正することが必要である。平たく言えば、相手を認めるということだ。認めた上で、尖ったコミュニケーションは控える。人を傷つけて得することはあまりない。
もう一方で、自分との対話も要求される。
怒ったときの状況をメモし、ストレスの要因についても記録し、客体化と思惟を通して、怒りのパターンと、怒りの裏側にある己の心の傷を捉える。怒りを客観的に見据え、なぜ怒るのか把握する。原因が掴めれば、対処できる可能性も高い。
また、どうにもならないことは、諦めなければならない。諦念だ。どうにもならないことに怒りを抱くことはままあるが、結局、どうにもならない。
その他、具体的な方法は本書で紹介されている。
おわりに
感情は厄介なものだが、ある程度コントロールし、うまくつきあっていくことで、キレて損することがないように心がけていきたい。
本書は語り口がとてもやわらかく、かつ、理解しやすいように書いてある。キレる人が多い世の中でキレないでいることは、賢い選択ではないだろうか。