Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
演じる考古学者インディアナ・ジョーンズが、スターリン政権下のソ連軍兵士どもと、お宝争奪戦を繰り広げるアドベンチャー・コメディ。
シリーズ第4作
子供心があれば、楽しめる映画かもしれない。そもそも、本シリーズはそういう作品だと思うのだ。記憶が正しければ、ぼくは『レイダース』を子供の頃にTVで観た。そのときは身震いするほどワクワクして感激したものだが、高校生になってレンタルして観たら、そんなに……だった。
時代背景も関係している。
『レイダース』の頃、世界はまだ広く、ジャングルには冒険と謎が満ち溢れていた。アマゾン川では、探検隊の冒険が収録され、お茶の間に届けられた。心霊番組は隆盛を極め、霊能力者が次から次へと現れた。インターネットもなかったし、テスラも存在していなかった。
要するに、時代は変わったわけだが、そんな中にあって、古代文明と空想的宇宙観を結びつけて冒険譚を編むのは、ひじょうに難しかっただろう。ぼくには、クリスタル・スカルの存在意義を見出すことさえできなかった。
シーン1つ1つは決して悪くないのだ。いささかスリルに欠けるが、インディ・ジョーンズ的と言えばそうだし、映像のクオリティも高いし、話もさくさく進んでいく。滑稽で、ご都合主義的で、あり得ない展開は本シリーズの持ち味だから、責められる点ではないだろう。
きっと、問題はぼくにあるのだ。
子供の頃に観たら、もっと楽しめたはずだ。
人喰い蟻のシーンなんか、どちらかと言えば好物である。
でもぼくは色々なものを観すぎた。刺激物を摂りすぎた。もっと、こう、刺すようなものを、脳を揺るがせてくれるようなものを…
あ!
驚きだ!
『クリスタル・スカル』にはそれがない