『犬神家の一族』
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■1976年の日本映画
■監督 市川崑
■出演
□石坂浩二
□島田陽子
□あおい輝彦
■COMMENTS
昭和二十二年二月。
信州財界の巨頭・犬神佐兵衛逝去。
事件の引き金である。
佐兵衛の遺した遺産・子孫・呪縛・怨恨が犯人を生み、一族の者どもが犠牲となる。そんなストーリー。事件を仕込んだのは、佐兵衛と言えないこともない。
第一の山場は遺言状の公開だと思う。
佐兵衛の遺言は相続人九人が揃わないと、公表することができない。にもかかわらず、一人がなかなかやってこない。佐清(すけきよ)だ。こいつは怪しい。きたと思ったら、マスクで顔全体を覆っている。ますます怪しい。というわけで、怪しさ満点のミステリーである。私立探偵・金田一耕助は依頼を受けて、遺言の発表に立ちあう。
遺言状には事細かに条件が定められている。しかもかなり特殊である。佐兵衛の決めたその条件のせいで事件が起こる。金持ちは大変である。事件てんこ盛りである。
子供のころ、金田一シリーズはTVでよく放映されていた。石坂浩二版も、けっこう観ていて、友達との会話にも普通に出てきた。金田一耕助は色々な俳優さんが演じているけれど、一番人気はやはり石坂浩二か。みんな、ホラー映画を観るような感覚もあったと思う。当時は画もBGMも時代を感じるなーという感想を漠然と抱いていたが、今改めて視聴すると、逆にそれが雰囲気を出していて良かった。女優さんもきれいに撮られていて、昔は珍しくもなかった日本家屋が妙に懐かしかった。金田一が泊まる那須ホテルとか警察署の廊下とか豪気な字体とか、目に入るもの全てが渋い。
序盤のテンポは悪くない。開始10分ぐらいでお嬢さんが溺れそうになって、そのあとすぐ第一の殺人が起こる。科学捜査もまだまだだし、防犯カメラもない時代だから、超能力者でもなければ、犯行のスピードに追いつけない。金田一ほどの切れ者でも、事件を止めることはできなかった。
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金田一シリーズの謎解きには、納得しつつも後出しジャンケン的な部分がけっこうあると思うのだが、それはぼくの推理力のなさのせいか。個人的には、署長役の加藤武が面白かった。登場しただけで頬が緩む。