雑感
最近、当たりを引くことができない。途中で停止ボタンを押したい衝動に駆られる映画ばかり観ていた。それでも百戦錬磨の映画ブロガーの方なら、うまいこと記事にするんだろうけど、ぼくはどうしても書く気になれなかった。書けば、罵詈雑言になりそうだからだ。ぼくは悪口を書きたいわけではない。面白い作品を観たら、自ずと気分が良くなり、その作品について話して(書いて)みたくなるだけだ。まー、多少おもろい程度の作品でもブログにしますが、とんでもないものに関しては、触れないようにしている。最近はその触れてはいけないものに触れすぎた。映画運が悪いのだ。
こういうときは、メジャーな作品かメジャーな俳優が出ている作品を観る。とりあえず、多少でもいいからおもろい作品を観たい。おもろいのを観られないと、とても不安なのだ。いらいらする。
今回は『クリミナル(以下略)』を視聴した。主演はケヴィン・コスナー。トミー・リー・ジョーンズやゲイリー・オールドマンも出ている。評価も悪くない。よし、というわけで、そこそこ期待しつつ、観た。結果、悪くない作品だったが、予定調和というか、よくも悪くもまとまりのいい作品だった。
内容
冒頭、諜報員ポープが追われている。追われる人間を見ていると興奮するので、期待が高まる。ポープはどうやら重大な秘密を握っているらしい。敵である“アナーキスト”に捕まって拷問を受けるが、口を割らない。命を失う。
ここで博士(トミー・リー・ジョーンズ)登場。博士はすごい人だ。ある人の記憶を抽出して、別の人に植えつけることができる。博士はCIAからの依頼を受けて、ポープの遺体から記憶を取り出して、囚人ジェリコ(ケヴィン・コスナー)に移植(劇中では転写と表現されていた)する。
ジェリコはポープの記憶に徐々に支配されていく。ポープが抱えていた重大な秘密とは、ダッチマンと呼ばれる男の隠れ場所だった。彼は凄腕のハッカーで、ラップトップを使って米軍の兵器を起動したり部隊を動かしたりすることができる。CIAもアナーキストも、ダッチマンというか、ダッチマンの持つ米軍を自由に動かせるプログラムを巡って争う。
◎
・ケヴィン・コスナーは囚人役だが、けっこうハマっていた。ガタイがよくて、ワイルドだった。
・とりあえず暇なところがない。暇なアクション映画は最悪だけど、本作品はテンポが良かった。それだけで、観た甲斐があった。
・ポープの奥様とアナーキストの殺し屋が美しかった。いやー、世界にはきれいな人がいるものだ。
▲
・ジェリコが自分を失っていく過程を、もう少し丁寧に追っていっても良かった気がする。ジェリコが、人格を失うことで幸福を手に入れるみたいな展開はどうかな、と。
・ロシアまで出てくるのに、案外、スケール感はない。拍子抜け。
・ラストは悪くないんだけど、結局そういうふうになるだけかと思った。全然驚きがなかった。
・おもろい要素はたくさんあるが、いかんせん詰め込み過ぎ。尺があって、プロットの自由が効くドラマのほうが向いている内容だと思う。
寸評
心に残る作品かと訊かれたら考え込んでしまうものの、視聴中はそれなりに。