■1994年 アメリカ
■監督 ジェームズ・キャメロン
■出演 アーノルド・シュワルツェネッガー ジェイミー・リー・カーティス
■COMMENTS
公開当時、ずいぶん軽い映画だなと思った記憶がある。
ジェームズ・キャメロン×シュワルツェネッガーなので、期待しすぎた感もあるが、それにしても求めていたものと違っていた。『T2』の焼き直しを求めていたわけではなかったけれど、それにしてもシリアスさは微塵もなく、ドタバタで、緊張感が希薄だった。古美術商の女など、登場する必要性の理解できない登場人物がけっこういた。ざっくばらんに言うと、とっ散らかした印象を受けた。当時は、あくまで当時は、シュワちゃんとコメディは相性が悪いんだと勝手に思った(あ、スタローンとコメディも)。
本作品で、シュワちゃんはスパイである。アメリカ国内で不穏な動きを見せるテロ集団を追っている。もちろん、無敵だ。どんな攻撃も、彼には当たらない。家族にはもちろん、身分を隠している。世界を飛び回るセールスマンということにしている。
一方、妻(ジェイミー・リー・カーティス)は法律事務所の事務員で、平凡な人生にうんざりしていた。冒険を求めていた。そのせいで、ペテン師に騙され、貞操を奪われそうになるものの、シュワちゃんが対テロリスト以上の人員と装備を駆使して救い出す。娘はグレているのかいないのかよくわからない中途半端なティーンエージャーで、存在感はあまりない。
アクション×家族×コメディ
本作品の三要素である。アクションに関しては安定していて、楽しむことが可能だ。豪華ホテルにオートバイに乗って逃げ込んだテロリストを、競走馬に跨って追うシュワちゃん。戦闘機をヘリコプターみたいに操縦するシュワちゃん。海上で核爆弾が爆発しても汚染のことなど気にしないシュワちゃん。当時はそんなノリでも許された。今はどうだろう。よくわからない。妻とのパートは完全にコメディで、ほのぼの感が強かった。娘には存在感が…
人はバタバタ逝くが、変に残虐ではない。よくも悪くも、のんびりしていて、牧歌的だ。ハラハラしたり、どきどきしたり、手に汗握ったりといったことはなかった。だが、偉大な映画人たちのフィルモグラフィに本作品があることは、悪くないような気もする。笑いを誘うアクション映画は貴重と言えば貴重だろう。それを評価するかどうかは完全に個人の好みによる。