上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』


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2014年 アメリ

(原作は桜坂洋さんのライトノベル。原作を手に取っていないので映画版のみの感想ということで)


本作品を単純に言うと、“宇宙戦争”を自分たちの力と勇気で勝利に導いた兵士らの物語である。


敵はギタイと呼ばれるエイリアンで、動きが素早く、殺傷能力が高い。人類は劣勢であり、勝てる見込みはなかった。

そんな状況にあっても、ケイジ少佐(トム・クルーズ)には今一つ危機感がなかった。彼は前線の兵士ではなく、メディア担当の将校だからだ。


ある日、そのケイジ少佐は前線に赴くよう将軍から命令される。ケイジは戦いたくないので将軍を脅すものの、逮捕され、階級を二等兵に落とされ、脱走兵として初年兵の訓練基地に連れていかれる。配属先はJ分隊。大した訓練も受けないまま前線に投入される。

戦場でケイジ二等兵は、英雄と持て囃される女性兵士(エミリー・ブラント)を見かけるも、彼女―リタ・ヴラタスキ軍曹はあっけなくやられる。兵は壊滅寸前。ケイジは何もできないまま、やみくもに動き、ギタイに襲われる。万事休す…


いやいや、それでは映画にならない。

トムがそんな映画に出るわけがない。

ケイジは目覚める。


目覚めたら、初年兵の訓練基地にいる。初めて連れてこられたときと全く同じシチュエーション。つまり、時が戻ったのだ。彼は死ぬ度に、初めて基地に連行されてきたときに戻る。タイムループである。戦死→基地→訓練→戦場→戦死→基地…延々と繰り返される。


ケイジは戦場で戦死する運命にある兵を助けたりするが、うまくいかない。何度かやり直すうちに、ヴラタスキ軍曹が解決の糸口になるということがわかってくる。彼ら人類の運命はどうなるんだろう…


オール・ユー・ニード・イズ・キル(字幕版)

オール・ユー・ニード・イズ・キル(字幕版)

  • 発売日: 2014/10/29
  • メディア: Prime Video


本作品は先にも書いたけれど、タイムリープものではなく、タイムループものである。作りは凝っていて、状況は常に切迫している。タイムループの果てに向かって突っ走るストーリー展開には、否応なく引き込まれる。近未来におけるエイリアンと人類の戦いという世界観が嫌いでなければ、きっと楽しめるはずだ。ド迫力な戦闘シーンや近未来、SF的小道具(機動スーツなど)を映像化させたら、やはり彼の国はとんでもない力を発揮する。


当初、実戦経験のなかったケイジが何度もループすることによって、たくましくなっていき、アクションがより高度になる。断片がポンポン出てくる度に、頭の中で整理しながら観るのだが、難解ではない。とはいえ、見逃したらわからなくなるので、緊張感を持ったまま、ラストまで観ることになる。最後は、いい終わり方だ。



ケイジもヴラタスキもすごいけれど、博士の功績を忘れてはいけない。あの、脚にぶっ刺した装置がなかったら、オメガの思うつぼになっていたはずだ。