COMMENTS
1945年
デンマークはナチス・ドイツの敗戦により、5年間に及ぶ占領から解放された。
戦後、デンマークの捕虜になったドイツ兵(主に少年兵)は砂浜に連れていかれ、ナチスの埋めた地雷の除去を命じられる。
地雷の総数はおよそ220万。
連合国軍の上陸を阻止するのが目的だった。
デンマーク人はドイツ兵を嫌っている。
ドイツ兵の中に地雷除去経験者はほぼいないが、配慮などしない。地雷除去の訓練中に失敗することもある。すなわち、死ぬということだ。命がとても軽い。
捕虜2000名のうち、約10名が、デンマークの軍曹ラスムスン(ローランド・ムーラー)の元に送られる。あどけない少年たちだ。
地雷は砂浜に埋まっている。埋めたほうも大変だっただろうが、取り除くほうはもっと大変である。少年兵らは鉄の棒を砂浜に突き立てて地雷を探す。彼らに課せられたノルマは45000個。ラスムスンは全て除去されたら帰国を許すと約束する。
地雷除去作業は危険極まりない。
ちょっとしたミスで手足が吹っ飛ぶ。
時にはデンマーク兵から虐待を受ける。敗戦国の兵には何をやっても許されるようだ。ジュネーヴ条約はどうなった?
静かな流れの中で、少年が犠牲になるという理不尽さが降り積もっていく。
ラスムスンはドイツ嫌いだが、少年らに同情し、心を開く。渋くて、かっこいいおっさんである。おっさんと少年兵が砂浜に座って談笑するシーンは実に微笑ましいが、もちろんそのまますんなりと話が進んでいくはずもない。甘さ控えめの映画である。