『ハクソー・リッジ』2016年アメリカ / 監督 メル・ギブソン
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デズモンド・ドスは戦争によるPTSDで苦しむ父を持つ。父はアルコール依存症で、妻子にしばしば暴力をふるった。母は言う。戦争(第一次世界大戦)前のお父さんを見せてあげたい、と。
デズモンドはそんな家庭環境で、兄のハルと育った。家は貧乏だったが、デズモンドは前向きで、明るい青年だった。恋人もできた。
ある日、兄が志願して入隊した。デズモンドの暮らす田舎町にも、軍服姿の若者が増えてきた。デズモンドは衛生兵になって、兵士を救いたいと思うようになった。
父は戦争の悲惨さを知っている。親友を戦場で亡くしていた。息子らの志願にも当然反対だった。デズモンドはそれでも陸軍に志願、訓練のために基地へ向かう。恋人の写真と聖書を持って。
だが、デズモンドは良心的兵役拒否者(CO)なのだ。宗教上の理由で、銃を持つことができない。人を殺すことができない。彼の目的は衛生兵になって、人を救うこと。デズモンドは信念を貫く。上官にいじめられ、『フルメタル・ジャケット』よろしく就寝中にリンチされ、果ては軍法会議にかけられるが、決してめげない。見上げた根性だ。
紆余曲折あって、デズモンドは銃を持たない兵となる。衛生兵だ。戦地は沖縄。ハクソー(=弓鋸)リッジと呼ばれる激戦地・高田高地。敵は日本兵。モデルはおそらく、牛島大将(1945年6月20日に大将に昇進)に率いられた帝国陸軍だ。デズモンドは仲間とともに絶壁を登って、陣取り合戦に参加する。
監督はメル・ギブソンだし、戦争映画なので、描写は凄惨を極める。でもメインはそこではなく、地獄絵図を駆けずり回って負傷者を助ける、武器を持たない衛生兵・デズモンドなのだ。
これは実話を基にした作品である。
『ハクソー・リッジ』〜作品の舞台をご案内します〜 | 浦添市