上空でクロール

介護福祉士による雑記ブログ。主に、映画・本・時事。目標は1000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『ザ・レポート』2019年アメリカ合衆国 / 監督 スコット・Z・バーンズ


スポンサーリンク

What's it about ?

男が国家権力による拷問を調査する。

ザ・レポート (字幕版)

ザ・レポート (字幕版)

  • メディア: Prime Video

COMMENTS

9.11のような惨劇を防ぐ目的で、収容所ができた。管轄はCIA。映画や海外ドラマによく出てくるお馴染みの、世界一の規模を誇る諜報機関だ。

CIAは情報提供者からのタレコミにより、アラブ系の人々をテロ組織関係者として拘束。一々、裏は取らない。大統領や司法省には、テロ組織の大物と伝え、尋問プログラムの許可を得る。

ここで言う尋問プログラムとは、“科学的に裏付けされた尋問の強化技法”のこと、つまりは拷問である。全裸で壁に叩きつけたり、大量の水を飲ませたりすることは、もはや尋問とは言えまい。


大統領(小ブッシュオバマ)は、CIAにゴー・サインを出したとき、拷問が行われるとは知らなかったようだが、科学的に裏付けされた尋問の強化技法という、わけのわからんもんに了解したことは間違いない。


2004年にアメリカ兵の捕虜虐待が露呈していたにも関わらず、アメリカ国内では平然と、それ以上に過激で醜悪な“尋問”が行われていたのだ。

ちなみに、捕虜虐待に関わって逮捕された元女性兵士は、FBIとCIAに虐待を奨励されたと語っている。但し、それが真実かはわからない。そういう話もある、という一つの例にすぎない。



“虐待技法”を推進した心理学者と、実行した尋問者は、アラブ系の人々を人とは思っていない。彼らはアメリカの敵とされた。アメリカの敵は人以下の存在なのだ。


行きすぎた“尋問”で死者も出た。冷水を浴びせて、朝まで放置。死因は低体温症。


直腸栄養法という“尋問”もある。肛門にチューブを挿し込み、水を入れる。一定量注入したあと腹を押すと、口と耳から水が噴き出す。


拷問しても、効果があれば、つまり、有益な情報を引き出すことができたときは、アメリカを救ったということで合法となる。

しかし拷問が招いたのは、苦し紛れの嘘と既知の情報のみだった。そこで拷問を正当化するために、他で得たネタを拷問で得たと偽装した。汚い話だ。


収容数は119名。そのうちの25%はテロとは無関係の市民だった。


本作品の主人公ダン(アダム・ドライバー)は上院議員(アネット・ベニング)に雇われ、依頼されて、拷問の事実を調査し、報告書にまとめあげた。
彼は膨大な時間を費やし、CIAの地味な妨害にもめげないで、歴史の暗部を探り当てた。


報告書に登場するCIA職員は罪に問われることもなく、多くは尋問プログラム終了後に昇進した。



アダム・ドライバー主演『ザ・レポート』 | Amazon Prime Video