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『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』


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メキシコからアメリカへの密入国は社会問題となっている。密入国を仕切っているのはメキシコの麻薬カルテルだ。社会問題の陰に麻薬カルテルあり、である。カルテルはメキシコ社会・市民の生活と密接に絡み合っている。


CIAのマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)は、アメリカ本土で自爆テロを起こした犯人が入国した方法を、手段を選ばないで調べていた。そしてメキシコ経由でテロリストを入国させたのは、麻薬カルテルだと考えるようになった。



密入国カルテルの重要な収入源となっていた。麻薬のほうが儲けられそうなイメージを漠然と持っていたけれど、密入国のほうが、手間はかからないようだ。



マットはアメリカ政府のお偉いさんの依頼を受けて、カルテルを潰す作戦を練る。ここでアレハンドロ(ベニシオ・デル・トロ)登場。相変わらず渋い。苦虫を噛み潰したような相貌。仏頂面。絶妙なむさ苦しさ。前作『ボーダーライン』は社会派なところもよかったけれど、個人的にはアレハンドロのブロンソン的な活躍がたまらなかった。復讐の鬼アレハンドロは今回、どんな無双っぷりを見せてくれるのだろう。



いやが上にも期待は高まったものの、方向性は全く違った。アレハンドロはターゲットを追い詰めるのではなく、逆に、危機的な状況に追い込まれる。重苦しい展開だ。特に印象的だったのは、顔を布で覆われ、手足をテープでぐるぐる巻きにされた状態のアレハンドロが、発情した芋虫みたいに激しく動き回るシーン。メキシコ界隈では珍しくない光景なのかもしれない。



ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(字幕版)

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(字幕版)

  • 発売日: 2019/03/20
  • メディア: Prime Video



前作では、FBIのねーちゃんと復讐魔アレハンドロとの対比・対立が新鮮で、善悪のジレンマについて考えさせられた。本作品にそういったテイストはないが、自爆犯の正体や政府によるトカゲの尻尾切りなどがもたらす徒労感と復讐のために生きるアレハンドロという漢に何とも言えない哀しみを覚えた。先が気になる。