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『ミッドナイト・ガイズ』2012年アメリカ / 監督 フィッシャー・スティーヴンス / アル・パチーノ×クリストファー・ウォーケン×アラン・アーキン


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What's it about ?

老いた元ギャングたちの挽歌。

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出演者が豪華なので、期待しすぎたかもしれない。あまり期待しないで観れば、それなりに楽しめるかもしれない。


冒頭、ドク(クリストファー・ウォーケン)が、出所する友人・ヴァルを迎えに行く。
ヴァル(アル・パチーノ)は28年間、刑務所にいた。二人とも、おっさんを通り越して、おじいちゃんである。渋いおじいちゃん。


若い頃は二人ともハンサムだった。


ドクは今やカタギである。狭いアパートで独りで暮らしている。独居老人ドクの生活は質素だ。絵を描いて、ケーブルTVを見て、夜更かしはしない。
ヴァルはそんな生活に興味はない。やっと外に出られたのだ。遊びたい。ドクに娼館に連れていってもらう。が、憐れかな、もう役に立たない。男の悲しい末路だ。

本作品はそんなゆるい感じで進んでいくが、旧交を温めるだけでは済まない事情がある。ドクは事情と友情の間で揺れ動くことになる。



刑務所からの出所、女、落ちぶれたギャングなど、何から何までよくありそうな風景が広がっているけれど、あえて褒めれば、安心して観ていられる。


監督は『ザ・コーヴ』のプロデューサーである。私はイルカを食べたいとは思わないが、太地町の人たちを踏みにじるような撮り方をした『ザ・コーヴ』はどうかなと。批判するのは自由だが、公正さに欠けているような気がする。でかい声を出したほうが勝つ、みたいな一方的なやり方は、見ていて気分がよくない。はっきり言って、太地町の方々に失礼だ。私自身は現代日本において、イルカやクジラを捕獲する意義をあまり感じないのだが、地方の風習を頭から否定するつもりはない。


話がそれた。もとに戻す。


本作品に緊張感はない。会話は軽口メインだが、引退した老人たちの物語なので、どこか物悲しく、寂しい。かっこよさ、人間ドラマ、悲哀、過去、理不尽さ、友情、家族愛、アクション、笑いなど、贅沢につめこんであるものの、私の心は微動だにしなかった。期待しすぎたのだ。