上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『海よりもまだ深く』


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はじめに

2016年公開の日本映画。監督は是枝裕和。出演、阿部寛真木よう子樹木希林

売れない作家が、小説と別れた家族への未練を抱えて生きる。


篠田良多(阿部寛

本職は小説家だが、それだけでは食っていかれないため、探偵をしている。探偵を選んだのは創作のためだったかもしれないが、今や執筆への情熱は失せている。ゆすり、不正上等の悪徳探偵だけれど、極悪人ではない。別れた妻には未練があり、交際相手を勝手に調べ、ひとりでやきもきしている。


金欠のくせにギャンブル狂で、養育費も払うことができない。別れたあとで家族の大切さに気づいたようで、金がないくせに、息子のために野球のスパイクをプレゼントする。


団地

良多の母はひとりで団地に住んでいる。リノベーションを施して団地に住む若い人もいるが、多くの住人は高齢者である。水回りやサッシ、間取りなどが、団地特有で、興味深い。


ありそうでなさそうな元家族の物語だが、団地は細部に至るまで生活感があって庶民的だ。


良多は息子との面会日、プレゼント(前述のスパイク)をやり、モスバーガーでランチを済ませ、団地に連れていく。たまたま天候が悪くなる。息子の希望もあって、今夜は団地で過ごすことになる。迎えにきた元妻も泊まる。



おわりに

次の一歩を踏み出すか踏み出さないかのところで、物語は終わる。ハッピーではない。良多は書けない小説家だし、元妻の交際相手はあまりいい奴じゃなさそうだ。次に行っても幸せになれるかわからないが、行かざるを得ない。人生は厄介である。