上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『ザ・マスター』


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The Master

2012年のアメリカ映画。監督はポール・トーマス・アンダーソン。出演、ホアキン・フェニックスフィリップ・シーモア・ホフマン

第二次大戦で日本を打ち負かして帰国した元水兵が、ある宗教に出会い、指導者(マスター)から教えを受ける。


フレディ(ホアキン・フェニックス

犯罪者予備軍、というか、やばいことしそうなおっさん・フレディが主人公である。いや、やばいことを平気でやるおっさんだった。失礼。


戦争のトラウマで…みたいな流れかと思ったら、もともとそういう人間のようだ。父は酒で亡くなり、母は精神を病んで入院している。


戦後、堅気の仕事は長続きしない。肉体労働では、得体の知れない酒を老人に飲ませて問題が起きた挙句、逃走。悪気があってしたことではないけれど、褒められた人間ではない。


そんな彼に初めて向き合ってくれた大人が、マスターだった。


マスター(フィリップ・シーモア・ホフマン

マスターは怪しい宗教を運営している。売りは、信者を催眠状態にして過去を遡らせ、不運の元凶を取り去ることだ。生まれ変わりを肯定しているため、過去は何通りもある。


宗教は自由であるべきだし、信じる人が救われたらそれでいい。問題は、社会に害を与えるところだ。性格上、宗教は個人・法律・国家・宇宙を超越しようとする。信仰が第一となり、信仰の下に全てを置こうとする。だから軋轢はなくならないし、究極的には人命を奪うことも厭わない…

話を映画に戻そう。

マスターはフレディを本気で救おうと考えている。マスターの家族は次第にフレディを危険視するけれど、マスターはそれでも見捨てようとしない。



おわりに

どんな集団であれ、トップには何らかのカリスマがある。カリスマがないと、悪事をなすこともできない。特に新興宗教など、何の権威もないし、教祖に人を惹きつける能力がなければ、誰も寄ってこない。寄ってきたわがままな人々を留めておくことも、簡単ではないはずだ。