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雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『パーフェクト・プラン 完全なる犯罪計画』


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ミッキー(グレッグ・キニア)は保険のセールスマン。そこそこ成績をあげている営業マンなのに、金はない。

 

妻(リー・トンプソン)とは別居中で、宿泊費はかさみ、カードは限度額ぎりぎりまで使っている。現代人にとっては、絶体絶命。普通なら質素倹約に努めるところだが、ミッキーは破滅型の人間なのか、生活レベルを落とすことができない。

 

そんなミッキーのもとに、カモが舞いこんでくる。保険に疎い老人だ。彼は乱雑な家に犬と住んでいて、高価なヴァイオリンを持っている。所有者である老人はヴァイオリンの価値などわかっていない。ミッキーも楽器のことなどわからないが、あるとき偶然、3万ドルの価値があることを知る。

 

ミッキーは老人の家に警報装置を取りつけた業者を言いくるめて、家主不在のときに忍びこみ、ヴァイオリンを盗もうと試みる。

 

が、そこに老人の友人がやってくる。

 

彼に問い詰められ、窮するミッキー。彼はヴァイオリンにも気づく。通報すると騒ぎ出す。絶体絶命。ミッキーも一巻の終わりか、というところで、業者が衝動的に老人の友を撲殺する。(ここまででおよそ半分)

 

彼らは凍った湖に穴を開けて、遺体を沈める。実に杜撰である。

 

遺体を消さなければ、露見する可能性はかなり高い。遺体を消すことが、殺人事件における完全犯罪の前提になる。死体は記録の宝庫だ。発見されたら無条件で警察が動き、検視官が情報を抜き取る。身元がわかれば、関係性が浮上し、対象が絞られる。だがホトケがなければ、よほどの状況証拠がない限り、人が一人いなくなったところで、警察は動かない。動くことができない。

 

ミッキーは殺人に関わっていないが、業者が短気で気難しい奴なので、びびって言いなりになる。しかも共犯関係になったことをネタにされ、金をせびられる。ミッキーは金など持っていない。仕方なく、3万ドルのヴァイオリンを業者に譲る。

 

ただ、そのヴァイオリン。実は100万ドル強の価値があった。

 

 

 

 

 

悪くない犯罪映画である。スケール感はないものの、その分コンパクトにまとまっている。ストーリーはシンプルで、わかりやすいどんでん返しがあり、何より不愉快にならない。リー・トンプソン、久しぶりに見ました。

 

2011年のアメリカ映画。日本未公開。