The Last Movie Star
ヴィック・エドワーズ(バート・レイノルズ)は往年の映画スター。
今や老いていて、広々とした家で一人暮らしをしている。独居老人だ。友人はいるが、もう仕事はしていない。愛犬を亡くし、冷凍食品を食べ、美女に見とれる。
もはや街に出ても、誰も振り向くことはない。
忘れ去られたスター、ヴィック…
(バート・レイノルズ自身と重ね合わせることもできるが、実際の彼はどうだったのか?)
ヴィックはある日、手紙を受け取る。
ナッシュビル国際映画祭からの招待状だ。特別功労賞を授与したいとのこと。デ・ニーロ、ニコルソン、イーストウッドにも贈られた賞と手紙には書いてある。老ヴィックは飛行機での移動が億劫だったが、友人のすすめもあって、映画祭に向かった。
ナッシュビル国際映画祭は何というか、アットホームというか、素朴というか、カントリー的というか、一言で言うと、しょぼいのだが、ここで多くは語るまい。
嫌いではない展開と雰囲気だけれど、起伏はあまりない。
孤独な老人となった元スターの寂寥感とヨボヨボ感はよく出ている。ヴィックと、垢抜けない彼のファンとの交流も、悪くなかった。寂しいけどこんなもんだよなと思わされるものの、決して暗い気持ちにはならない。
バート・レイノルズが最期まで現役だったことを、本作品は証明している。合掌。