■2019年のイギリス映画
■監督はダニー・ボイル
🟥COMMENTS■
スタイリッシュな映画である。ビートルズのことが好きなら、思わずニヤリとさせられるだろう。
ミュージシャン志望の青年ジャック・マリクが夢を諦める決断をした、まさにそのときに世界を停電が襲う。12秒間の、停電。それにより、世界は変わる。ビートルズが存在していない世界へと。
ジャックは何気なく、仲間の前で“イエスタデイ”を歌う。ビートルズの“イエスタデイ”を。ポールの代表曲を。だが、仲間はその曲を知らない。ビートルズのことも知らない。
そんなバカな!?
ググってみるものの、ビートルズは検索に引っかからない。オアシスも、“ワンダーウォール”も出てこない。
ジャックはビートルズの曲を自分の曲として歌う。時には仲間と熱唱する。それがとても楽しそうで、音楽っていいなと、そんな気分にさせてくれる。
曲はビートルズのベスト盤に入ってるような有名な、いわゆる名曲ばかりだから、聴いていて、だれることもない。あ、久々にビートルズ聴きたいな、“リボルバー”でも引っ張り出して聴こうかな。そんな思いを抱かずにはいられない。
ジャックは自身の歌ったビートルズの曲をネットにアップしていた。それにより、ミュージシャンとしての道が拓けてくる。有名になる。ただし、オリジナルではなく、ビートルズの曲によって。
まともなクリエイターがもしも(魔が差して)盗作したら、強烈な罪悪感にさいなまれるに違いない。ジャックも徐々に思い悩むようになる。しかし彼を責めることはできない。ビートルズになれる誘惑に打ち勝てる人はそうはいないだろう。
ジャンパーズ・フォー・ゴールポスツ ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム [Blu-ray]
- 発売日: 2015/11/18
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