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『マリアンヌ』2016年アメリカ / 監督 ロバート・ゼメキス / ブラッド・ピット×マリオン・コティヤール


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『マリアンヌ』は、スパイが愛し、愛される映画である。


まず、男がパラシュートで砂漠に降り立つ。彼の名はマックス。極秘任務を遂行するため、モロッコにやってきた。
任務とは、先に潜入している女スパイと落ち合って、夫婦を演じ、ナチスの要人を晩餐会で始末することである。

マックス(ブラッド・ピット)は女スパイ・マリアンヌ(マリオン・コティヤール)の夫という設定だ。一見、淡々と夫婦を演じる二人だが、マリアンヌは徐々にマックスに惹かれていったようで、真っ昼間に誘惑する。マックスはゲスな男ではないから、まともな理由をつけて断る。だが、マリアンヌは美しい。魅力的で、有能だ。作戦決行の前日、二人はとうとう結ばれる。結ばれたらもう、坂を転げ落ちるようなものだ。

ナチスの要人を片付けて車で逃走しているそのときに、マックスはプロポーズする。マリアンヌはもちろん、断らない。
ここで終わっていれば、映画はハッピーエンドだったが、そうはいかない。結婚後、子供が生まれたあとに、問題が発生する。ある疑いが、マリアンヌにかけられるのだ。

ここから、マリアンヌの瞳に釘付けになった。こいつ絶対なんかある、と思わせるような目つきを意図的にするからだ。期待は高まったものの、予想以上にシンプルな幕引きとなった。


個人的には、納得できないところがあって。たとえば、マリアンヌほどの凄腕が、イギリスなりカナダなりで、無事に結婚生活を送っていかれると本気で考えたのか。幸せで舞い上がっていて、聡明さを失い、頭が回らなかったのだろうか。
また、彼女ほど有能なら、何らかの策を講じることができたのではないだろうか。子供がいるから、という理由は、普通の人が口にすることだ。愛は普通で構わんが、スパイなんだから、それらしい行動に出てほしかった。マックスに頭を撃ち抜かれる第三帝国がなんたらかんたら言ってたおばちゃんのほうが、よっぽどスパイらしい。

ぼくがそんなことを言うのも、最期が最期だからである。とても残念だ。要するに、マリアンヌには幸福になってもらいたかったのだ。

とはいえ、上記は個人的な感想。もしその通りになったら、ドンパチ満載の痛快アクションになってしまう。だから本作品はこれでよかったのだ。ただ、マリアンヌの本名は知りたかった。そう思った方はけっこういるはずだ。


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