『ジョー・ブラックをよろしく』
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Meet Joe Black
死神が結果的に、大手メディア会社社長ビルと、ビルの令嬢にして内科の研修医でもあるスーザンを救済する。
監督:マーティン・ブレスト
他監督作品に『ビバリーヒルズ・コップ』『セント・オブ・ウーマン』
死神ジョー:ブラッド・ピット
社長ビル:アンソニー・ホプキンス
スーザン:クレア・フォラーニ
1998年公開
はじめに
当時、ゴールデンラズベリー賞にノミネートされたが、今観返してみると、そんなに悪くはない。同年公開で、同じくゴールデンラズベリーに絡んだ『アベンジャーズ』は、レイフ・ファインズ、ショーン・コネリー、ユマ・サーマンを無駄に集めた、中々観られない作品だったけれど(予告編は良かった)、本作品における看板俳優は魅せてくれる。
死神とビル
死神ジョーの目的は俗世の体験である。よりよい体験をするために、死期の近い有能な人物、卓越した人物を選び、つきまとう。結果的に、ジョーはビルの会社の裏切り者を炙り出し、追い出すことになるのだが、それは当初の狙いではなかった。ただ、ビルの前に現れる以前にスーザンを見初めているので、真の目的はスーザンと仲良しになることだろう。
死神とスーザン
死神に肉体はない。スーザンが淡い恋心を抱いた青年に乗り移り、スーザンに近づく。そして恋仲になるものの、ジョーは死神。いつまでも俗世にいられる存在ではなかった。ジョーはスーザンをあの世に連れて行こうと考えるが、ビルの反対にあう。スーザンが惚れているのは、恋した青年か、乗り移った死神か。もうちょっとその辺りを抉って、対立を煽ってもらいたかった気もするのだが…
おわりに
とにかくブラッド・ピットは男前で、アンソニー・ホプキンスはさすがの存在感だった。二人とも瞳が鮮やかなブルーで、あの世とこの世の狭間的な、妖しい雰囲気が出ている場面もあった。が、個人的には序盤の、ジョーが現世に戸惑うみたいな一連の件は不要に感じた。一応、超越した存在だし、観ていてまどろっこしかった。
とはいえ、180分という長さにしては、すんなり視聴することができた。企業内の策謀と小綺麗な恋愛がそれぞれ進行していくのだが、うねりは小さく、流れはゆったりとしている。逆を言えば、感情を強く揺さぶられることなく観られるわけで、そういった需要にはじゅうぶん応えている。