■1970年のアメリカ映画
■監督 ドン・シーゲル
■出演
□クリント・イーストウッド
□シャーリー・マクレーン
■COMMENTS
舞台はフランス占領下のメキシコ。
ニヒルな主人公、メキシコ革命を率いるフアレスの登場、ドタバタな展開など、マカロニの風味が強い作品である。少なくとも、ぼくの思い描く西部劇とは、一味違う。
ホーガン(クリント・イーストウッド)はある日たまたま、荒野でならず者どもに襲われていた女(シャーリー・マクレーン)を救う。いい女だ。でも彼女は尼僧。シスター・サラと名乗る。
ホーガンは表情こそニヒルで、口も悪いが、親切な漢だ。シスターを放っておくようなことはしない。シスターが、反乱軍を支援したことでフランス軍に追われていることを知ると、また助けてやる。
そして、フランス軍の要塞襲撃計画を持ちかける。ホーガンの目的は大義ではなく、金だが、シスターは計画に乗る。
- 発売日: 2013/06/26
- メディア: Blu-ray
ドン・シーゲルにイーストウッドという組み合わせは『ダーティー・ハリー』を思い起こさせるが、本作品は趣が違って、緊張感やシリアスさの欠如が逆に個性となっている。
闘いと言えるほどの闘いは最後までないし、しかもそれは真昼に行われたわけではない。内容を観ないで邦題をつけたとしか思えない。原題は
“Two mules for Sister Sara”
muleには騾馬以外にも、頑固者という意味がある。それは無論、ホーガンを指す。
うがった見方をすれば、シスターは乗り心地が悪いと言って、旅の途中で騾馬から驢馬に乗り換えた。つまり、最終的にはホーガンも捨てて他の男に乗り換える、といったことを暗示した題名なのでは…
個人的にはそんなことを考えつつ、二人の後ろ姿を見送った。