■2000年のアメリカ映画
■監督 ナンシー・マイヤーズ
■出演
■COMMENTS
ラスベガスのショーガールの愛息ニック。特殊な環境で育った彼は長じて、女心のわからないプレイボーイになる。鼻持ちならない金持ち、派手な私生活。女好き。世の中は自分のもの。広告会社の出世頭。主人公はそんな男。
別れた妻との間に15歳の娘がいる。娘には優しい。狙っていたポストをやり手のキャリアウーマン・ダーシー(ヘレン・ハント)に奪われるが、異動になったり冷遇されたりするわけではない。
開始早々、どんな話かは何となく想像できる。ロマンスである。だが、本作品には仕掛けがある。ニック(メル・ギブソン)があることをきっかけに、女心が読めるようになるのだ。
面白いのは、ニックの太々しさ。葛藤はないこともない、というレベルだ。女性の心がわかるようになってすぐ、仕事に生かそうとする。からっとしていて、とても軽い。それが、いい。
ニックは行動し、前進する。ポジティブだ。新たに得た能力をフルに活用して、娘も含めた女性たちに合わせようとする。女心を掴むことは、そのまま人生の成功につながる。彼は次第に自分中心ではなく、女性の気持ちに沿って考え、動くようになる。野心は消え、人を大切にする。
よく考えると、女心がわかりすぎるのも怖いような気がする。ダメ出しばかりされ、たぶん傷つくだろう。
だが、映画は良かった。昔観たときはピンとこなかった記憶があるけれど、ニックが全然ひどい奴じゃないところも好感が持てたし、何より、温かい気持ちになれた。