The Departed
香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク作品。
細部のテイストは全く異なるため、『インファナル・アフェア』が好きだから、本作品も好きになる、とは限らない。むしろ、その逆になる可能性だってある。
みなさんはどちらがお好みでしょうか?
監督はマーティン・スコセッシ。出演者は、ディカプリオ、マット・デイモン、ニコルソン、マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン、アレック・ボールドウィン等、超豪華。第79回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚色賞・編集賞を受賞。自分だったら、脚色賞には断固として反対するが、一般的にはよくぞ工夫した!という評価なのだろうか。よくわからない。
舞台はボストン南部。
中心人物は、アイルランド系ギャングのボス・コステロ(ニコルソン)
彼はサリバン(マット・デイモン)に教育を受けさせ、合法的に警察に潜り込ませる。サリバンはコステロの期待に応え、出世する。もちろんサリバンはギャング側のスパイだ。コステロのために動き、コステロのために働く。コステロを潰すための部署に配属されるが、それは捜査情報がそのままコステロに流れることを意味していた。
一方、コステロと対峙する警察も、指をくわえていたわけではない。
優秀な新人警察官コスティガン(ディカプリオ)に囮捜査を命じる。コスティガンはボストン出身で、親はコステロの知り合いだ。その点に目をつけられての命令だった。コスティガンはコステロを起訴して有罪にするために、潜入捜査官として、証拠集め、証拠固めに従事する。疑われないためには当然、犯罪にも加担する。血にまみれた生活を送る、ということだ。コスティガンはそのせいで精神を擦り減らしていく。
スパイVSスパイ、という構図で、ボスもサツもスパイ(作中ではネズミと言われる)を自陣に抱えていることを察し、探し始めるようになる。雑に言えば、バクバクでアゲアゲな展開だ。その処理の仕方にはどうも納得がいかないのだけれど、それは単に好みの問題か。
豪華俳優陣の演技には文句のつけようもない。ニコルソンが、特に良かった。表情を見ているだけで、わくわくする、笑える。
欲を言えば、最後、もっと違う景色が見たかった。
帳尻合わせを帳尻合わせと感じさせないところに妙技があると言ったら少々厳しすぎるか…