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本作品は、リーマン・ブラザーズの倒産劇である。
時は、2008年9月某日
リーマンのCEOファルド(コーリイ・ジョンソン)は、多額の不良債権を別会社に移して、株価暴落の危機を切り抜けようとするが、市場は荒れる。深刻だが、危機的ではないと社員に向かって言うものの、リーマン株は急落。これではもう、週末を乗り切ることができない。つまり、週明けに倒産することが明白となる。倒産を回避するには、救済しかない。だが
ゴールドマン・サックス出身の財務長官ポールセン(ジェームズ・クロムウェル)は、公的資金の投入を拒否する。先日、住宅公社を救済したにもかかわらず、だ。
それにより、リーマンはかつてライバルだったウォール街の金融機関や他国のメガバンクによって買収されるしか、生き残る道はなくなった。リーマンのお偉いさんの他力本願な姿が、なんとも痛々しい。
60分を切る短い作品だけあって、ムダはなく、緊迫したシーンが続く。金融面に疎い自分でも、じゅうぶん楽しめる内容だった。サブプライムローンの仕組みも、面白おかしく解説してくれている。バンカメ、バークレイズ、メリルリンチの思惑が、本作品を観ただけでは若干わかりにくいが、超単純に言うと、公的資金注入がない時点でリーマンの命運は決まったのだ。
サブプライムローンの証券化で躍進したリーマンだったが、最終的にはそのリスクが顕在化して自身の首を絞める結果となった。余波はアメリカのみならず、世界各国にも及んだ。我が国では、リーマン・ショックと呼ばれている。
リーマン破綻から1年、元CEO「私は不満のはけ口にされた」 | Article [AMP] | Reuters https://t.co/Cd3bANlFOO
— 高空でクロール (@eigasekai_news) 2020年3月3日