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『ジェニーの記憶』2018米独 / 監督 ジェニファー・フォックス / ローラ・ダーン


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いつのころからか、実話に基づいた映画が目立って増えた。今では、黒猫より目にする機会が多い。あまりにも多いので、ああ、またかと。またこの前置きか、と。

内容が面白ければいいんだけど、なんかもう「実話に基づいた~」という半端な、ドキュメンタリーに足先だけ突っ込みました的な、お断りの一文は見飽きた。

実話ベースだろうが経験談だろうが、軽々しく宣言するのはやめて、もっと違った表現方法を模索してほしい。テロップで手軽にリアリティを強化できるのは便利だが、今やありふれた手法である。クリエイターって、そういうのを疑っていくもんじゃなかろうか。まー、内容がよければ…

最近そんな思いを抱いていたので、冒頭、実話に基づきました表記を見て、ウっとなったが、ローラ・ダーンだし、気を取り直して視聴した。


いい作品だった。テレビ映画然としているものの、まとまりがよく、厄介な描写をひじょうに巧みに表現していた。


監督はジェニファー・フォックス。大学で教鞭も取る、女流ドキュメンタリー映像作家だ。自分は彼女の名も作品も全く知らなかったが、もしかしたら有名人なのかもしれない。


本作品の主人公は監督自身だ。ジェニーとは、ジェニファーのことである。あることがきっかけとなって、ジェニーは過去の出来事と向き合うことになる。その出来事の関係者と接触するうちに、ジェニーの抑圧された記憶が浮かび上がってくる。


ローラ・ダーンは現在のジェニー役。映像作家となった大人のジェニーだ。


少女時代のジェニーは可憐なブロンドの少女が演じている。


テーマは、性的虐待


ある夏、少女ジェニーは郊外の乗馬教室で馬術を習うことになった。美しい馬術教師ジェーン(エリザベス・デベッキ)の下で、トレーニングに励む。ランニングのレッスンも受ける。ランニングのコーチは、ビルという。ジェーンとは恋仲にあった。彼と彼女が13歳のジェニーを傷つけたのだ。


ジェニーの記憶 (字幕版)

ジェニーの記憶 (字幕版)

  • 発売日: 2019/01/21
  • メディア: Prime Video


ジェニーは虐待の記憶を抑圧し、忘却し、大人になった。思い出は美化され、暗部は頭の片隅に追いやられた。それほど、彼女の受けた傷は大きく、深かった。淡々と綴られていく中で、行き場のない感情が彼女を襲う。