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ジョーダン(ハル・ベリー)は、やり手のオペレーターで、制服警官との恋愛も順調だったが、ある日を境にして暗転する。レイアという少女から通報を受けたときに、ミスをしたからだ。
不審者が家に侵入してきたとき、両親は外出中で、レイアは絶体絶命だった。911に通報するのがやっとだった。が、ジョーダンが職務以上に踏み込んだことをしたことで、レイアは不審者に誘拐され、翌日、遺体となって発見された。
ジョーダンは現場を離れ、オペレーターの教官になった。簡単に言えば、レイア事件がトラウマになったのだ。が、事態は彼女を放っておいてくれない。
新人への研修中、通報者に感情移入をしないこと、感情を切り離すこと、などを教えているときに、誘拐された少女・ケイシーからの通報が入る。
ジョーダンはパニックになりながらも懸命に自分を抑え、かつての、やり手だったころの自分を取り戻していく。
誘拐犯は難敵だ。『羊たちの沈黙』の連続殺人犯バッファロー・ビルとの類似点はもちろん、意識してのことだろう。ただし、本作品の犯人は見た目も悪くなく、社会と折り合いをつけて生きてきた。それを考えると、テッド・バンディ(アメリカのシリアル・キラー)的な要素もあわせ持った猟奇殺人犯と言って、差し支えないように思う。
この手の犯人は最初のうち、うまく立ち回るが、だんだんと自分を律することができなくなり、自爆する。IQは高いのに、欲望に負けて、凡ミスを繰り返すのだ。
本作品はコンパクトで、スピーディ。かなりの頻度でハラハラさせてくれる(笑)
久しぶりに、巧みなサスペンス・スリラーを観て、楽しい時間を過ごすことができた。
サイコ / サイコパス関連の作品は、星の数ほどあるし、もちろん本作品も先行作品を踏襲しているんだけど、ジョーダンとケイシーの強さには惹かれるものがあった。