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『カリートの道』1993年アメリカ / アル・パチーノ×ショーン・ペン / 監督 ブライアン・デ・パルマ


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登場人物

カリート・ブリガンテ
元(大物の)売人
夢は南の島でレンタカー屋を営むこと
(アル・パチーノ)

デイブ・クラインフェルド
悪徳弁護士
(ショーン・ペン)

ゲイル
ダンサー
(ペネロープ・アン・ミラー)

ベニー・ブランコ
ブロンクスのチンピラ
(ジョン・レグイザモ)

パチャンガ
昔の仲間・用心棒として雇う
(ルイス・ガスマン)


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カリートの道



「人はみな追い込まれるのね」

ゲイルがカリートと一夜を過ごしたときに、口にしたセリフ。

それが本作品のテーマである。

夢破れたダンサー・ゲイルが、本作品では数少ない、まともな人間のうちの一人だ。


カリートはデイブのお陰で出所した。仕事の世話までしてもらった。
彼は金を貯め、バハマでレンタカー屋を経営することを、本気で夢見ている。

893な世界から足を洗ったと公言し、人をあやめることもしない。許せないことが起きても、昔のように消したりはしない。昔の仲間に裏切られても、説教するだけだ。

カリートは仁義を重んじる漢であり、愛に生きる男でもある。何しろ、情に厚い。

デイブから、ある危険な仕事の手伝いを頼まれたときも、カリートは断らない。愛するゲイルの反対を押しきって、“仕事”に向かう。
もちろんそれは大きな、取り返しがつかない失敗だった。デイブが暴走したせいでもある。彼はジャンキーの例に洩れず、言動を制御できない。自分に都合のいいようにしか、物事を考えない。


カリートは“仕事”のあと、デイブを見限る。結局、ゲイルが正しかったことを思い知るが、カリートカリートとして生きることしかできない。ゲイルを尊重し、正しさを認めつつも、我が道を往く。甘い話を持ちかけられても、決して乗らない。安易な道は選ばない。不器用と揶揄される生き方だが、そうすることしかできない。


終盤30分、絶望にのまれる予感と破滅に向かう緊張感が、たまらない。


ラストは好みの分かれるところだと思う。ぼく自身は、ジョン・レグイザモが好きだけど、この映画の最後にはどうかな~、と。ケリをつけるのはイタリア人でよかったのでは…と。


ショーン・ペン演じるデイブが段々壊れていくサマも、見所の一つ。


多くの人々が対立を通して、大切なものを失う映画だけれど、救いはある。