上空でクロール

介護福祉士による雑記ブログ。主に、映画・本・時事。目標は1000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『ハードエイト』1996年アメリカ / 監督 ポール・トーマス・アンダーソン


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監督・脚本 ポール・トーマス・アンダーソン

登場人物
シドニー
ギャンブラー
(フィリップ・ベイカー・ホール)

ジョン
文無しの青年
(ジョン・C・ライリー)

クレメンタイン
ウェイトレス・副業で売春
(グウィネス・パルトロー)

ジミー
カジノで警備を担当するゴロツキ
(サミュエル・L・ジャクソン)


Hard eightとは、クラップスというカジノで広く行われているゲームで、サイコロの4のゾロ目が出たときに使われる言葉。

本作品でもクラップスは登場するけれど、ギャンブル映画ではない。


シドニー老人がジョンを救い、クレメンタインを救い、自分を救う映画である。


冒頭、ジョンがレストランの外壁に寄りかかって、うなだれていたところに、シドニーが颯爽と登場して声をかけ、物語がスタートする。

ジョンは母親の葬儀費用をブラックジャックに注ぎ込み、一文無しになっていた。シドニーはそんな、どうしようもない青年に救いの手を差し伸べる。もちろん、それには理由がある。決して、ボランティア精神にあふれているわけではない。


ジョンはシドニーに心酔し、信頼するようになる。クレメンタインとバカげた事件を起こしたときも、シドニーに頼る。
事件の詳細は省略するが、ジョンもクレメンタインも阿呆すぎて、かわいそうになってくるような事件であることだけは、間違いない。
主人公が間抜けだと、一気に冷めるときがあるけれど、この作品は大丈夫だ。あくまで、間抜けを助ける大人が主役である。


シドニーがジョンを助ける理由は、もちろんここでは明かさない。世間に知られたら、困ることだ。ジョンの友達ジミーはそれをネタにしてシドニーをゆする。


本作品は、静かに進行しているところに、突発的に事件が起こり、その事件が済んだと思ったら、今度は重大な秘密が出てくる。そしてラスト、シドニーが単なるギャンブラーではないことを知る。


個人的には、メリハリの効いた良作だと思うけれど、シドニーが自分たちの指紋を拭き取る、モーテルのシーンが気になった。拭き方が適当すぎるのだ。しっかり拭かないと、指紋は取れないし、ドアノブの指紋にいたっては、拭き忘れている。結果的にそれでも全然問題なかったし、些細なことではあるけれど。



そういえば、本作品は『ブギーナイツ』や『マグノリア』で知られる、ポール・トーマス・アンダーソンの監督デビュー作である。


俳優陣は豪華で、退屈になりがちな場面でも魅せてくれる。グウィネス・パルトローはきれいだし、サミュエル・L・ジャクソンの啖呵を切るタイミングも、なかなかのものだ。


主演のフィリップ・ベイカー・ホールは『ミッドナイトラン』でも、シドニーという役名で出演していたようだ。ようだ、と言ったのは、全く思い出せないからだ。いずれ、チェックしたい。