主要登場人物
重盛朋章ー本件の担当弁護士(福山雅治)
三隅高司ー殺人事件の被告人(役所広司)
山中咲江ー被害者の娘(広瀬すず)
山中美津江ー被害者の妻(斉藤由貴)
摂津大輔ー重盛の同期弁護士(吉田鋼太郎)
篠原一葵ー本件の担当検事(市川実日子)
本作品は法廷モノである。
弁護側・検察側双方が、戦術に沿って、それぞれ被告人像を作り上げていく。
検察側の主張。被告人は金目的で被害者を殺害、ガソリンをかけて燃やした。
罪状は強盗殺人と遺体損壊。
担当弁護士・重盛は、被告人・三隅の言動に振り回され、幾度か修正を迫られるが、最終的には、三隅が被害者の娘・咲江のために殺害に及んだと考える。
後半、三隅がちゃぶ台をひっくり返すようなことを言うが、重盛はその主張を心からは信じていない。
※この記事では重盛と三隅のやり取り、三隅の“能力”にはあえて触れません。
弁護側検察側ともに“虚像”を作り、裁判所が“虚像”を裁く展開だが、致し方ない。
三隅はそもそも、つかみどころのない怪人だし、言葉は二転三転するし、映画自体、謎解きを拒むかのように、計算されて作られているし、“真実”を取って出すことができないのだ。
本作品の解釈について書かれたブログには、読み応えがあり、参考になるものが多かった。謎を残す映画・物議を醸す映画を観たあと、ネット上の意見・推理をチェックするのが好きなこともあり、この映画には鑑賞後も楽しませてもらえた。
【ネタバレ解説】『三度目の殺人』を咀嚼できなかった人向けの徹底考察【映画の結末に何を思う?】 @ciatrjp https://t.co/shGfJ5HYSv
— 高空でクロール (@eigasekai_news) 2019年10月23日
本作品の特徴をわかりやすく言うと、真実を“薮の中”に隠していることだ。それは意図して隠されているため、隠喩などの手がかりを頼りに藪に切り込んでみても、解明することはできない。
“真実”とは、くっきりと輝く星のようなものではなく、案外、うすぼんやりとした気味の悪いものなのかもしれない。
少なくとも、三隅は正義の人ではない。

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