上空でクロール

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『TIGERLAND』2000年アメリカ / 監督 ジョエル・シュマッカー / 主演 コリン・ファレル


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ベトナム戦争が泥沼化している時期に、アメリカ南部の基地で訓練を受ける新兵達。

ある者は志願し、またある者は徴兵された。彼らは教官の罵声と暴力が飛び交う中、まずは基礎訓練を受ける。
それが済むと、タイガーランドと呼ばれる、ベトナムの戦場を再現したエリアで、実戦さながらの訓練が行われる。

その後はもちろん、ベトナム行きだが、本作品が扱うのは訓練のみだ。

新兵に対する訓練の過酷さは、他の戦争映画でも描かれているが、訓練の時期だけを切り取った作品は珍しいと思う。


主人公はボズ(コリン・ファレル)二等兵
彼は他の新兵とは違う。問題を起こしては、基礎訓練のやり直しを繰り返している。反逆児だ。
とはいえ、劣等生ではなく、射撃の腕前は抜群だし、喧嘩も強い。勇気があって、根性もあって、優しい。ただ、新兵でありながら、反戦の立場であることを堂々と口にする。

ボズは軍法の抜け穴を知り尽くしていて、訓練に嫌気が差した新兵に知恵を与え、除隊へと導く。いい奴なのだ。それが結局、自身の首を絞めることになるのだが…


とにかく、ボズの言動は軍隊にあってはならないものであり、教官に目をつけられることはもちろん、あるサイコな新兵に因縁をつけられる。
フルメタル・ジャケット』の落ちこぼれ・レナードほどの狂気は感じられないが、サイコ野郎もなかなか危ない奴である。

但し、ボズと仲間はすごくいい奴らだ。アフリカ系の新兵らも、いい味を出していた。ラスト、ちょっとキザ(シゴ?)だが、個人的には気に入った。