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『ブロークバック・マウンテン』2005年アメリカ / 監督 アン・リー / ヒース・レジャー×ジェイク・ギレンホール


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ブロークバック・マウンテンでの一夏の出来事が、生涯で最も素晴らしい体験だったということを、彼らは悟る。


はじめに

本作品は同性愛を扱っている。
まず、その点で好みは分かれそうだが、監督自身も言うように、普遍的なラブ・ストーリーなので、恋愛映画が好きなら、じゅうぶん浸ることができるだろう。

おっさんずラブ』が劇場公開される現代日本においても、まだ同性愛に対する差別はあるかもしれないが、物語の始まりはそれより、50年以上前、1963年である。

LGBT差別は凄まじいものがあったに違いない。

とはいえ、キリスト教国における同性愛の問題に関して、全然詳しくないし、映画で得た知識ぐらいしか持ち合わせていないので、その点については触れない。

感想

大自然ブロークバック・マウンテンをバックに、イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は、羊の群れの番をしながら、キャンプ生活を送る。

熊に襲われたり、鹿を撃って食べたり、コヨーテから羊を守ったりしながら、二人の若者は交流を深めていく。過去を語り、打ち解けていく過程は、どの国の人達でも経験したことがあるだろう。

だが、これは単なる友情物語ではない。

イニスとジャックはある日テントの中で、肉体的にも交流する。


羊番の契約期間が終わり、ジャックと別れたあと、イニスはひとり慟哭する。彼は不器用で、感情をうまく伝えることができない。無骨であり、直情的である。

イニスは婚約者と結婚して、子供を授かるが、ジャックと再会すると、気持ちを抑えることができず、家の横で熱烈なキスをする。イニスの妻はそれを目撃していて、その後、結婚生活は破綻する。

一方、ジャックも結婚し、家庭を築いていた。彼は社会的に成功している。うだつのあがらないイニスに、一緒に牧場経営をしようと誘うも、断られる。その直接的な理由はイニスの少年時代にあるのだが、性格の問題もあると思う。

イニスは保守的で、新天地にどんどんチャレンジしていくような質ではない。負け犬とわかっていても、たとえつらくとも、現状にしがみついて生きるタイプである。彼は変化を望まない。


イニスとジャックは人里離れた場所でたまに逢う関係を続けていくが、不幸な事故により…


ヒース・レジャー、素晴らしい俳優さんでした。