上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『エンド・オブ・ホワイトハウス』

2013年 アメリ


アクション映画らしいアクション映画である。いい意味で言うのだが、コテコテのアクション映画だ。


ある日、突如として冷血なテロリストが現れ、世界を震撼とさせる。世界とは無論、アメリカのこと。テロリストは充分に計画を練って実行に移し、その上、狡猾なので、人々は手も足も出ない。そんな絶望的な状況の中で颯爽とヒーローが登場する。彼には辛い過去がある。他人の気持ちがわかる男前だ。かつて特殊部隊にいたことがあり、とてつもなく強い。ヒーローはテロリストの野望を打ち砕くべく、銃を握りしめ、孤独な闘いに身を投じる。


流れとしてはそんな感じだけれど、面白みがあったのはテロリストが東洋人だったことだ。訪米した韓国の首相に随行してきたスタッフが、実は北側のテロリストだったのだ。彼らは正体を隠したまま難なくホワイトハウスに入り込み、アメリカ大統領を人質にして(韓国の要人を撃ち殺して)占拠する。



立てこもり事件はうまくいかない確率が極めて高い。通常、突入する側のほうが人的・物的資源を豊富に持っているし、圧倒的に有利だ。究極的なことを言うと、人質を救うことは難しいが、立てこもった奴らをやっつけることはそんなに難しくない。それに反して、立てこもったほうは、最終的に逃げなければならない。その段階にくると、大抵、精神的に追い詰められている場合が多い。アル・パチーノが銀行強盗を演じた作品があったけれど、残念なことに逃げきることはできなかった。立てこもりは難易度がすこぶる高いのだ。なので、本作品で、テロリストがホワイトハウスに立てこもったとき、こいつらうまくいかんだろーなーと、つい思ってしまったが、それでもけっこう楽しむことができた。



エンド・オブ・ホワイトハウス(字幕版)

エンド・オブ・ホワイトハウス(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video



本作品のテロリストは頑張って善人の屍を積み上げていったものの、彼らの思い通りになるほど、現実は甘くなかった。元シークレット・サービスで、かつて大統領の警護をしていたマイクの登場により、彼らの歯車は狂っていく。

『ザ・ガンマン』

2015年 米西英仏

監督はリュック・ベッソン絡みで知られるピエール・モレル、主演はショーン・ペン、タイトルが原題邦題ともに“ザ・ガンマン”…ということで、視聴を前にして、いやが上にも期待と不安が高まったものの、観ないことには何も言えない。複雑な思いを抱えたまま、ポチッと再生した。



舞台となるのは、コンゴ民主共和国。10年にも及ぶ内戦で国は疲弊し、多くの民衆が犠牲となっている。政府軍VS反乱軍という構図に、武器商人などの怪しい多国籍企業と、鉱物資源の利権まで加わり、事態はどうにもならないところまできている。


主人公は元特殊部隊のジム・テリアだ。演じるのは、50代半ばのショーン・ペン。バキバキに鍛え上げられた体からして、相当気合いが入っているようだ。ライフル・スコープを覗く顔も、かっこいい。話は変わるが、弟のクリス・ペンが亡くなってから、ずいぶん経つことに気づいた。ついこの間何かの映画で見かけたような気がするのだが、どうにも思い出すことができない。マイケル・マドセンと出てた、レザボアではない作品だった。役者は死してなお、作品の中で生き続けるようだ。


ジムの上司的立場であるフェリックスは、ハビエル・バルデムが演じている。インテリな風貌だが、時々、狂気を見せる。あのオセロウも御すことができなかった嫉妬という名の狂気である。


フェリックスはジムの恋人アニー(ジャスミン・トリンカ)に本気で惚れている。アニーは医師で、現地の人々の治療にあたっていた。ジムのことを深く愛していたが、フェリックスも立案に関わった要人の暗殺作戦のせいで、ジムはアフリカ大陸から、アニーのもとから、去らなければならなくなった。


それから、8年後


ジムはコンゴに戻り、NGOに参加。村に井戸を掘ったりと、クリーンな活動をしていたのだが、ある日、武装した男達に襲われる。ジムはそいつらを撃退して、アフリカを発つ。


なぜかは不明だが、8年前の暗殺作戦に関係した何かが起きていた。鍵を握るのは、その作戦に関わったかつての仲間達だ。ジムは脳に深刻なダメージを抱え、体はボロボロだが、真相を探るべくバルセロナへ飛ぶ。フェリックスに会うためだ。


フェリックスはアニーと結婚していたが、不安だった。アニーがまだジムを愛しているのではないか、と。残念ながら、もてない男の予想は的中するのだが、この先に触れるのはやめておこう。


ザ・ガンマン(字幕版)

ザ・ガンマン(字幕版)

  • メディア: Prime Video


ジムとラスボスの対決のとき、ラスボスの野郎がアニーのことを“野犬”に襲われた傷モノと罵ったあとで、何とかしてやりたかったが“仕事”だったとか言っていたのだが、どんな意図があって“会社”がそんなゲスな真似をしたのか、ぼくの能力では理解することができなかった。


もしや、何か見逃したかな…


とにかく、その点がモヤモヤするし、後味が悪いのだけれど、格闘シーンは銃撃シーンより見応えがあったし、ショーン・ペンは渋かった。