上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『聲の形』


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いい話である。

いい話に接すると、ひねくれたことを言いたくなるので、あえて言わせてもらうと、傷ついたいじめっ子の救いになる映画である。

 

この世には、人を傷つけておいて、傷つけたことが傷となって、傷つく人間がいる。傷つけられた人の無念・悔しさに思い至って、というより、自らを憐れんでの結果として。

 

だが、謝るべき人間は大抵、近くにいないし、いたとしても、実際には許しを乞う状況まで持っていかれない。丸く収まらないまま進んでいくのが普通である。許されないことが罰なのだ。

 

正直、調子づいて弱者をいじめる奴など、永遠に許される必要はないと思うのだが、本作品でいじめを受けた女子は、かつてのいじめっ子を許すだけではなく、好意さえ抱いている。いい子なのだ。

 

その善良さは好みの分かれるところだが、映画を観ていて、いじめっ子を救うには月みたいに巨大な善性が必要だということは、よーくわかった。