救いを求めて
端的に言えば、小悪党の良心がガッツリ踏み躙られる作品。ネタバレを避けるため、ぼんやりと書いていく。
・
・
主人公は、不祥事が原因でTV局からラジオ局に追放された人気キャスター、ユン・ヨンファ。
ある日、オンエア中に元建設作業員を名乗る男から電話がかかってくる。ヨンファは、男の発言が偏執的だったため、冷たくあしらう。
と、麻浦大橋が爆破される!
※余談だが、麻浦(まぽ)大橋はソウルの漢江に架かっていて、飛び降りが絶えない名所である。男はそれを爆破したのだった。
ヨンファはTV局のキャスターに返り咲くため、このスクープを利用しようと画策。テロのライブ中継を実現させる。
男の目的は一つ
大統領の謝罪だ。彼には政府に恨みがある。政府…警察に、仲間が見捨てられたからだ。
謝罪さえ得られたら自首すると言うが、そう簡単に大統領が取引に応じるわけがない。犯人は苛つき、また麻浦大橋を爆破した。
それにより、橋は【TTT】みたいになり、真ん中のTには人々が取り残された。
人々の中には、リポーターとして現場にいたヨンファの元妻の姿もあった。ヨンファは元妻に未練があり、それが彼の良心を後押しすることで、ある結末を導き出すのだった。
本作品のキモは最終的に“良心”が浮かび上がってくるところである。それは叶わない夢のように儚いものだが、それでも観たものに何かを考えさせる契機にはなる。