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雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『顔のないヒトラーたち』


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ナチスナチスナチス

 

ナチスを題材とした映画は実にたくさんある。戦後何十年も経っているというのに、まだ制作される。ヒトラー及びナチスは、ナポレオンが近代文学に与えた衝撃に近い影響力があるのではないだろうか。もちろん、映画である以上、相応の需要もあるに違いない。表題は、戦後市井に紛れ込んだ元ナチスのことを指す。

 

 

発端


1950年代末、老教師のある過去がばれる。アウシュヴィッツで、元武装親衛隊伍長だったという過去だ。任務はガス室への“選別”だった。

 

現代の我々はアウシュヴィッツの惨状(人体実験など)を了解しているものの、当時はトップ・シークレットであり、隠蔽されていた。

 

 

新米検事の奮闘

 

駆け出しの検事ヨハン・ラドマンは老教師の件に興味を覚え、調べ始めた。ある記者を通してアウシュヴィッツの元収容者と知り合い、元親衛隊員らの犯罪行為を知った。

 


ヨハンは上からの指示により、アウシュヴィッツ関連の捜査を担当することになるが、警察も検察内部の多くの人も、同胞が責任を追求されることに反感を抱いている。真実を明らかにするには、彼らの反発と妨害、誘惑に打ち勝たなければならない。

 

 

顔のないヒトラーたち(字幕版)

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先にも触れたが、隠蔽されていたため、戦後間もない時期のドイツ市民は、アウシュヴィッツの正体を知らない。ヨハンらの働きにより、徐々に知る。段々と惨劇が明らかになり、良心的なドイツ人の態度が変わる。彼らの変化には打たれるものがある。

 


また、戦後にもかかわらず、ニュルンベルク裁判で戦犯150名が既に裁かれているにもかかわらず、検察が自国の元兵士を起訴したことは、特筆に値すべき事実である。

 

 


日本の731部隊はタブーとされ、責任を追及されることはなかったが、それもまた特筆すべき闇である。