上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『サウンド・オブ・メタル』


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失う物語


メタル・バンドのドラマー・ルーベンが聴力を失う。想像するまでもないことだが、人生=音楽の彼にとって、音を失うことはとてもつらいことだった。

 


そういう状況のとき、人は怒り、悲しみ、もがく。そうしてそのあと、諦念、受容、再生へと続く道を見出せるかはその人次第だ。

 


荒れて、してはいけないことをしたり、思いあまって自裁したりと、復活することができない人もいる。

 


ルーベンは諦めずに、あくまで抗うことを選ぶ。とはいえ、その方法でうまくいっても、元に戻れるわけではない。得られるのは、ミュージシャンにとっては耐え難い、ノイズの響き渡る世界だ。

 

 

 


本作品では失聴がテーマになっているが、このストーリーは他の病気や障害にも当てはまる。普遍的だから、力がある。


人との関わりの大切さも、改めて教えてくれる。人は他人と接することで、自分を知ることができる。自分という輪郭がハッキリしてくる。

 


自分を知り、素直に受け入れることが、再生への第一歩となるようだ。