背景
事の始まりは、サブプライム・ローンが証券化され、投資が可能となったことだ。結果、サブプライムなローンの債券は優良な投資先として、ガンガン買われるようになる。大抵の投資家はそれが当然のことと思い、暴落するとは夢にも思わない。投資の怖さだ。
一般的に、凡人は上がったときに買い、下がったときに売る。または、下がったときに買って、更に下がって損をする。結局、相場を予想することなど、できやしない。神のみぞ知る世界なのだ。
だからこそ、投資の成功者は持て囃される。本作品では、そういった人々の成功までの過程を追っている。彼らに共通して言えることを挙げていこう。
着眼点
多くの人とは、目のつけどころが違う。まず、誰もが右肩上がりと思いこんでいる、人気の投資商品が暴落すると見抜く。そうして調査を重ね、推測を確信の域まで持っていく。人の行かない道を見つけたことは実に素晴らしい。投資で勝つためには必要なことである。“人の行く裏に道あり花の山”
行動力
劇中で大儲けする彼らは、サブプライム関連の投資商品を空売りするのだが、映画を見る限り(誤りがあったらすみません)、当時、巨額の空売りに対応した商品は販売されていなかったようで、バンカーや証券マンに直に掛け合うしかなかった。彼らの、巨費を投じてそれ以上の利益を得るために道なき道を切り拓いていく様は、凡人にはとても真似することができない。
まとめ
投資に興味がなくても、じゅうぶん楽しめるが、ちょっとでも知っていれば、より楽しめる作品である。ただ、世間の裏をかいて大逆転という構成ではあるものの、お気楽な雰囲気では終わらない。儲けても、損しても、人というのは苦悩を抱くようだ。