■1971年 アメリカ
■監督 ウィリアム・フリードキン
■出演 ジーン・ハックマン ロイ・シャイダー
■COMMENTS
原作はノンフィクション小説。
60年代にニューヨーク市警の刑事が大量の麻薬を押収した、実際のある事件がもとになっている。
流れだけを見ると、なんともシンプルである。ベテラン刑事二人が、麻薬の売人と買い手を追うという、それだけの展開だ。
が、実はよくできた作品なのだ。
説明は絶妙な匙加減で省かれていて、話に置いていかれることはない。ポパイと呼ばれる刑事(ハックマン)が、ずーっと突っ走っているから、全然飽きない。マヌケが買い手だけというバランス感覚も、いい。普通、マヌケが重要人物だと、納得いかないものになるのだが、本作品ではそんなふうにならない。
また、劇中のカーチェイスも素晴らしい。迫力がズバ抜けている。カメラの位置をぐっと落とすことで、スピード感を出している。よくこれを撮ったなと思わずにはいられない。
ポパイは、いい人ではない。いい人なだけで刑事は勤まらない、の見本みたいな刑事だ。彼の頭には事件を追うことしかない。はっきり言って、いっちゃってるおっさんにしか見えないところもある。でも
そこが、いいのだ。