■ 1967年の英米作品
■監督 ルイス・ギルバート
■出演
□ショーン・コネリー
□丹羽哲郎
□若林映子
■COMMENTS
時は米ソ冷戦真っ只中。
ボンドの宿敵スペクターのブロフェルドは米ソを戦わせ、漁夫の利を得ようと画策していた。その陰謀は滑稽なほどスケールがでかくて、まさに宇宙規模だった。
彼らの存在、彼らの計画はまだ誰にも知られていなかったが、英国は日本に何かあるという情報を掴んだ。
そこで、007ことジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)が、敵の目をごまかすために殺害された偽装までして、調査に乗り出す。
舞台は日本である。
当時の日本で本作品は大ヒットしたようだが、現代人が観たら、びっくりするはずだ。力士、日本酒、中華的なセット。外国人の日本に対するイメージの具現化と考えれば、ある意味、面白い。とはいえ…
とはいえ!
さすがに、ボンドが日本の諜報員・田中(丹羽哲郎)の家の大浴場で、下着姿の女子たちに体を洗ってもらっているシーンを観たときは、ひどいと思った(笑)
そのときの田中のセリフがこうだ…
“イギリスの女にこんなことはできんだろ?”
怒ってはいけない。外国人の考え出した日本なのだ。いや、ぼくは当時生まれていなかった。日本という国はもしかしたら、そういう国だったのかもしれない。だとしても、それは当時のことであり、今は違う。
撮影技術は今に比べるべくもないが、ボンドがワルサーPPKを構え、撃つ姿はさすがにクールだ。忍者が出てきて、ボンドが忍者訓練を受けるくだりは…
昨今のアクション映画より、プロットは大味で、展開はキテレツだけれど、当時のアクション映画としては良作だったに違いない。
みなさんもご存知のように、007は紆余曲折があって今にまで続くシリーズで、熱狂的なファンも多い。007の歩みはそのまま、アクション映画の進歩と重なる。ボンドと言えば、個人的にはダニエル・クレイグだけれど、もちろん異論は認めます。