2018年 アメリカ
ロスでは、48分間に一回、銀行強盗が発生しているらしい。日本では考えられないことだ。
子供の頃、アメリカ版警察24時的な番組がTVで放映されていて、なんてやばい国なんだろうと思ったものだが、今も治安の悪いところは危険なようだ。
本作品に登場する強盗団は装備が充実していて、まさにプロといった感じだ。ピカピカのでっかいピストルをひけらかすような、チンピラ風情ではない。警官と銃撃戦を繰り広げたりと派手なこともするが、基本的には計画的に行動する。
リーダーはレイ(パプロ・シュレイバー)
一方、追う側、捜査する側はジェラルド・バトラー演じるニック。『エンド・オブ・ホワイトハウス』では大統領を救うヒーローだったが、本作品では、疲れはてた捜査官だ。捜査のためには違法なことも平気でやる。とくに正義感が強いわけではなさそうだが、嗅覚は優れている。糸口を見つけ、破り、核心に迫る。
私生活のほうは散々だ。奥さんは子供を連れて出ていく。奥さんに近づく男に絡む。よくある話だが、殺伐としていて良かった(笑)
強盗団の背景も、よく描かれている。それによって、彼らが単なるアウトローの集まりではなく、絆によって結ばれた仲間だということがわかる。
ニックは刑事の勘で揺さぶりをかけるものの、レイはあくまで冷静だ。物語の焦点はアウトローな捜査官とアウトローな集団のボス、二人の対決に絞られていく。銀行での立てこもりからその後の展開では、ドキドキ要素もあって楽しめる。
ただ、ラストは唐突な気がする。取ってつけたような、と言いたくなる。そうするなら、事前に手持ちのカードを何枚か見せておいてくれないと、納得することは難しい。とはいえ、キャストは良かったので、観て損したとは思わなかった。