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スジンは27歳。若いのに、物忘れがひどい。ファミマで買ったものと財布をレジに置き忘れたりする。ただし今のところ、日常生活に支障はない。
彼女は勤め先の上司と不倫していた。結果的に不倫相手に裏切られ、関係に終止符が打たれたわけだが、深く傷ついた。恋愛で負った傷は恋愛で癒すほかないのだろう、スジンはワイルドな青年チョルスに出会うと、どんどん惹かれていく。偶然を装って会いに行き、一緒に焼酎を飲んで酔って恋仲になる。
一旦くっつけば、若い二人はすぐに親密になる。価値観の違いはあれど、なんだかんだで二人は愛し合っていて、すったもんだの末に結婚する。
そうして甘い新婚生活が始まるけれど、スジンにはアルツハイマー特有の症状が目立つようになる。たとえば、鍋を焦がしたり、知った道で迷子になったり…
それを友達に話すと、大笑いされるが、もちろん笑い話では済まない。症状は着実に、冷酷に、進んでいく。
やがて、スジンは記憶障害に抗えないことを自覚すると、チョルスの元から去ることを決意する。
つらい話ではあるが、スジンはみんなの愛に支えられている。とくに夫チョルスの愛と覚悟には圧倒されるものがある。何度かぐっときました。
2004年韓国