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雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『ベスト・オブ・メン ~人間の最高~』


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時は1948年。舞台はイギリス。


ルートヴィヒ・グットマンはドイツから亡命してきたユダヤ系の医師だ。彼はある病院に赴任する。医療から見放された兵士たちが収容される病院である。兵士たちは脊髄を損傷していて、歩くことができない。鎮静剤などを過剰に与えられ、寝たきりの生活を送っている。現代で言えば、廃人症候群だ。グットマンにはそれが許せない。

 

看護師は苦痛の緩和を訴えるが、グットマンは回復を目標に掲げる。床ずれ(褥瘡)の予防と感染症対策を徹底し、鎮静剤をやめさせ、病棟の改革を図る。彼は対立を恐れない。正しいことをしているという自負がある。患者らに希望を持たせ、退院後のQOLまで考慮する。時代を考えれば、画期的である。

 

グットマンの献身的な治療は看護師の心を動かし、患者らの意識を変える。一日中ベッドで生活していた彼らは車イスに乗り、自操するようになる。グットマンは平行棒を使った歩行訓練などのリハビリを試み、身体能力の向上に努める。そして、脊髄損傷者による競技大会を企画する。時期的にロンドン・オリンピックと並行して行われたその大会は、パラリンピックの起源と言われている。

 

ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜

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テーマがテーマだけに悲壮感がないわけではないが、希望が持てるような展開になっている。個人的には感傷的な表現が抑えられていて、好感が持てた。

 

2012年イギリス