上空でクロール

介護福祉士による雑記ブログ。主に、映画・本・時事。目標は1000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『青春デンデケデケデケ』監督 大林宣彦


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1992年公開。監督は大林宣彦。原作(芦原すなお)は文藝賞直木賞を受賞した。


舞台は香川県観音寺市。時は1965年。藤原竹良(林泰文)がベンチャーズの「パイプライン」に感激してロックの虜になる。タイトルの“デンデケデケデケ”とは、「パイプライン」のイントロのことである。ベンチャーズ世代ではない自分でも知っているぐらいなので、かなり有名で、印象的なイントロと言っていいだろう。


本作品を一言で言えば、青春ロック映画だ。ロックに憧れた高校生・藤原竹良が仲間とバンドを結成、文化祭での演奏を成功させるという、どの世代の青少年でも共感できる内容となっている。青春時代特有の焦燥感や恋愛などは巧みに描かれているし、タイトルに負けないだけの勢いのある作品なので、一青春映画というだけではなく、エンターテイメント作品として広く受け入れられた。



公開当時、音楽シーンはなかなかに複雑な様相を呈していた。日本ではおそらくバンド・ブーム後で、ラップやレゲエに傾倒する若者が目立つようになった。
自分はHR/HMを聴いていて、ヒップホップとラップの違いさえよくわからなかったが、巷では、ラッパーみたいなファッションがトレンドになっていた。知人がドレッドにしたときは本気で頭の中身を心配したものだが、だんだん違和感はなくなっていった。悲しいことに、革ジャン革パンにリングブーツという格好は時代遅れになりつつあった。
また、グランジの先駆けとなったニルヴァーナが登場したのもこの頃である。グランジはハードロックファンに嫌われることになるのだが、出てきたときは好意的に迎えられた。“Smells Like Teen Spirit”はMTVでがんがん流され、カート・コバーンはカリスマ性を帯びていく……



話を戻そう。



青春デンデケデケデケ』はロックを扱っているものの、反社会的な要素は目立たない。田舎の青少年による健全なバンド活動を描いた作品だ。健全なロック、というのはかなり珍しい。元来、ロックは不健全であり、不健康であり、反抗的なものである。だが、これはこれで面白い。ロック的衝動が日本の片田舎に宿ったケースを、ひじょうにうまく表現している。



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昨日、大林宣彦監督が逝去された。代表作は『転校生』や『時をかける少女』になるのかもしれないが、それ以前(CMディレクターになる前)の自主映画に対する評価も高かったと記憶している。


ご冥福をお祈りします。