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2000年の大統領選を覚えている人はおそらく、レディか紳士になっているはずだ。
もう20年も前の出来事だと思うと、ずいぶん年を食ったなーと感慨深い。
本作品はジョージ・W・ブッシュとアル・ゴアが接戦を繰り広げた大統領選挙における、投票の再集計を扱ったHBOの映画だ。かなり込み入った(細かい)話なので、簡単に触れていく。
ブッシュとゴアの戦いは終盤まで決着がつかず、フロリダ州での投票結果によって大統領が決まるという状況だった。フロリダの選挙もまれに見る大接戦で、ブッシュが勝ったものの、僅差だったため、規定により、機械で再集計が行われることになった。この機械がまた頼りない。正確性に欠けるらしい。だが決まりは決まりだ。
問題はまだある。某投票所の老人は投票の仕方を理解していなかった。ゴアに入れるべき一票を泡沫候補に入れた可能性があった。彼らは再投票を求めてデモを起こす。民主党支持者が多い郡(選挙区)なのだ。この郡は言わば、問題児である。問題を起こすと同時に、課題を提示する。
この選挙、問題だらけである。もしかしたら、フロリダだけではなく、ほかの州の選挙結果も怪しいかもしれない。だんだん、そう思えてくる。
機械による再集計の結果は327票差でブッシュに軍配があがるものの、ゴア陣営は負けを認めない。機械による集計に致命的な欠陥があると主張。手作業による再集計を要求する。
フロリダ州の判事はリベラルらしく、ゴア側の要求通り、手作業の集計を認める判決を下す。
ブッシュvsゴアの大統領選騒動は選挙に関する法律があいまいだったために起きたと言える。今は改善されているのだろうか。
地味な映画だが、個人的にはとても楽しめた。ケヴィン・スペイシーは間違いなく実力者だし、ローラ・ダーンの大げさな演技も笑いを誘う。ゴア寄りの映画だが、それは仕方あるまい。
ところで、ローラ・ダーンは州務長官ハリスの物真似をしているのだろうか? 細かすぎて伝わらないネタだ。自分がハリス長官を知っていたら、もっと笑えただろうに。