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『ドリームハウス』2011 アメリカ / 監督 ジム・シェルダン / ダニエル・クレイグ×レイチェル・ワイズ


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※ネタバレしてます。これから視聴される予定の方は絶対に見ないでください。



ドリームハウス (字幕版)

ドリームハウス (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video




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幸せな一家が惨殺される映画である。リアルであれ、フィクションであれ、一家惨殺は苦手なので、正直、観て後悔した。

とはいえ、プロットは工夫されているし、複雑な感情の揺れをうまく喚起させる作品だとは思う。ただ、個人的には好きになれないし、もう一度観ることはないだろう。

では、内容に触れていく。


主人公はウィル…

そう、ウィルだ…


ウィル(ダニエル・クレイグ)は…エリート編集者…だったが、退職して専業作家となる。 素敵な家を購入する。

ハンサムで、才能豊かなのだ。

おまけに、妻のルビー(レイチェル・ワイズ)は美しく、娘たちはかわいらしい。妻はウィルを愛していて、会社を辞めたことに大喜び。というのも、一緒に過ごす時間が増えるからだ。「今日はパパがいないから、おいしいものでも食べよう」なんていう悪妻とは大違いである。幸せ者なのだ。


だが、それは作品の企みである。とことんハッピーな家庭を描いておいて、おもむろに観客をどん底に突き落とす。さすがにそれは読める。


案の定、隣人はどこかおかしい。ウィルが訪問すると、怪しさ満点の対応をする。

また、ガキどもが家の地下室に忍び込んで、怪しげな集会をしていることもあった。ガキどもは言う。この家で、ある一家が惨殺された、と。気になる台詞である。過去に忌まわしい事件があったのだ。悪魔でも棲んでいるのだろうか?


もちろん、ウィルはその事件について調べる。それは己を知ることにつながる。彼は真実と引き換えに、全てを失う。


評価の分かれ目は、“たったそれだけの理由で…”というところを、納得することができるかどうかだ。悲惨な事件にはそれ相応の動機がないと、説得力がないと自分は思う。少なくとも、物語レベルにおいては。


但し、この作品には面白いところがあって、中盤までとそれ以降とでは、全く趣が異なる。強引と言えば強引というか、要するに力業である。どうせそこまでやるなら、最後、みんな生き返らせてハッピー・エンドにしてほしかった、と思うのは自分だけだろうか。本当に、一家惨殺はやりきれない。