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シリーズ第一作目の『ジュラシック・パーク』(93)は、記念碑的な作品と言って差し支えない。公開当時の衝撃は、リアルタイムで観た人なら、わかっていただけると思う。
今や、映画の中で恐竜や怪獣が自然に、なめらかに動くのは普通のことなので、深く考えることではないかもしれないが、当時としてはまさに画期的な出来事だった。恐竜が華麗に不気味に獰猛に動くさまには正直、感嘆させられた。
たとえば、引き合いに出して申し訳ないが、95年に公開された初代『ジュマンジ』と観比べると、そのすごさがよくわかる。
(『ジュマンジ』も素晴らしい作品ですよ!)
また『ジュラシック・パーク』は映画としても、ハラハラドキドキな展開で飽きさせない。子供のころによく観た『ジョーズ』的なものも微かに感じられ、ちょっとした懐かしさを覚えたものだ。個人的には、ホラーやスリラーの要素をも含んだ、パニック・エンターテイメントと勝手に位置付けた。
本シリーズは言わば、人類の夢の映像化だ。つまり劇中では、現実にありえないことが起こる。夢の中でしか動かないものが、目の前で動く。映像の力をまざまざと見せつけてくれる。
『ジュラシック・ワールド / 炎の王国』にも、シリーズ全般に通じる面白さは確かにある。
本作品のメインを張る恐竜はブルー。悪役となる肉食系の恐竜も、もちろん登場する。もはやジェイソンみたいな、お約束の存在だ。
熱心に筋を追わなくても、そこそこ楽しめる。最近涙もろくて、噴火から逃げようと海に落ちて溺れたりする恐竜たちを見ると、もうね…
『ジュラシック・パーク』ほどのインパクトは当然ないけれど、シリーズ五作目ということを考えれば、ありかなと。脇の甘さは愛嬌ということで。