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テロと戦うアメリカを前面に押し出した映画。展開はスピーディで、いきなりテロリストが登場。アメリカ大使と多数の小学生が犠牲となる。この時点で、テロリストは悪玉になるが、それは仕方ない。これはアメリカの映画なのだ。
序盤の構成は独特で、ネイビーシールズのチーム・メンバーが紹介されていくその裏側で、テロリストのパートが進行する。つまり、CIAの女性エージェント・モラリスがテロリストに誘拐されるのだ。モラリスの奪還が、ネイビーシールズの任務となる。
ネイビーシールズの隊員は現役の隊員だ。モノホンである。撮影が過酷なため、本職に出演してもらうことになったらしい。演技に少々難があるし、正直、もっとセリフを削ればいいのに、と思ったりもしたが、観ているうちに、これも個性かなと思えるようになった。軍の協力により撮影された映画なので、当然、アメリカの正義を疑うような言動は影も形もない。
ネイビーシールズは海軍の特殊部隊。ジョン・F・ケネディが設立した。ちなみに、グリーンベレーは陸軍の特殊部隊だ。
本作品はアクション映画として観れば、じゅうぶん楽しめる。シナリオが陳腐との批判もあるが、単純さも美点の一つだ。緊張感と生々しいアクションも、魅力的だ。
もちろん、本作品を観て不愉快になる人の気持ちはわかるが、命をかけて祖国のために戦う兵士たちの姿を見ているとね…
よその国の話ではあるが、兵士の受けるストレスは相当強烈だし、ご苦労様としか言いようがない。とりあえず、目に見えるワルは、権力者である。今も昔も明後日も、それが変わることはない。