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『二郎は鮨の夢を見る』2011年アメリカ / 監督 デヴィッド・ゲルブ


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What's it about ?

85歳の鮨職人を追ったドキュメンタリー。


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“すきやばし二郎”

予約が取れないため、ミシュラン・ガイドへの掲載が見送られた銀座の鮨店だ。

店主は頑固そうではなく、頑固そのものの小野次郎氏85歳(当時)。鮨がとにかく美しい。

メニューはお任せコースのみで、お値段は参万円から。仕入れ次第で変動する。もちろん、私は食べたことがない。

案内役として、料理評論家の山本益博氏が登場。ダントツにうまい鮨店と評する。映画公開以前、ミシュランの調査員は、すきやばし二郎に行ってガッカリしたことは一度もないと言ったそうだ。たぶんすごいことなのだろう。


鮨の知識が全くないので、出てくる情報に頷きながら視聴した。以後、鵜呑みにした情報を元にして書いていく。誤りがあったら、その責任は私の無知にある。


マグロの大トロは戦後になって食べられるようになった。次郎氏によれば、大トロはどこで食べてもそう変わらないが、赤身・中トロはマグロによって、全然味が違うとのこと。マグロの味見をするなら、赤身・中トロだと氏は言う。奥が深い。普段、くら寿司のマグロを食べなれている私には手が届かない境地である。


次郎氏には息子が二人いる。長男は銀座の父の店で働いていて、次男は六本木で店を構えている。鮨職人一族である。息子たちは父をリスペクトしている。父は父で、息子たちを愛している。痛いほど、それが伝わってくる。息子たちは高校を卒業すると、進学しないで父の店に入門した。



次郎氏はタイトルにある通り、鮨の夢を見る。夢で、いいアイデアが浮かんできて、飛び起きたこともある。



いいネタで、いい仕事をするのが職人だと次郎氏は言う。儲けは気にしない。頂上を目指す。まだよくなると思える以上、自分は頂上に達していない。次郎氏は完璧主義者だ。もっとも、ご本人は“職人根性”と表現していた。ごもっともである。


鮨で大切なネタは築地(当時)で仕入れる。マグロならマグロの、エビならエビのプロフェッショナルから買う。マグロの仲買人は切り身に懐中電灯のライトを当てて判断していた。普段、くら寿司のマグロを…





すきやばし二郎には職人見習が四人いる。一般的な見習のレベルではない。修行は厳しそうだが、カメラを向けられらと、屈託のない受け答えをする。


修行はまず、熱々のおしぼりを絞るところから始まる。それで熱さに慣れたら、次に進む。見習さんの一人が酢飯を作っていたが、とても繊細な作業に見えた。タコの仕込みは肉体労働だ。そうして10年経ってやっと、卵を焼くことが許される。彼らは言葉では伝えられない技を体得しなければならない。まるで、東洋哲学の世界だ。


最後に、ある日のコースを紹介させていただく。鮨は一貫ずつ出される。二貫載った皿が流れてくるわけではない。


ヒラメ
スミイカ
アジ
赤身(マグロ)
中トロ(マグロ)
大トロ(マグロ)
コハダ
ハマグリ
シマアジ
車エビ
サヨリ
タコ
サバ
ウニ(軍艦)
コバシラ(軍艦)
イクラ(軍艦)
アナゴ(握り)
かんぴょう巻き
卵焼き
メロン(デザート)