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20年間、ロイドは入院していた。相棒のハリーは週に一度、ロイドに会いにきた。
20年間、毎週毎週。
冒頭はそんな感じだが、もちろん、しんみりしているわけもなく、お下品お下劣なギャグが次から次へと飛んでくる。ロイドもハリーも、さすがに老けたなぁと思うけれど、懐かしさを感じたのも事実。
ハリーの20年前のセフレ(?)役に、キャスリーン・ターナー。
『白いドレスの女』『ロマンシング・ストーン』の彼女は美しかった。健在で何よりだ。本作品では、しっかり脇を固めている。
ファレリー兄弟の作品は“ライン”を越えているようで、越えていない。許される範囲内での笑いだ。バランス感覚に優れているのだろう。
とはいえ、もちろん毒はある。毒のないコメディなんて、酸っぱくないレモンみたいなもんだ。
本作品は全編を通して、“こうあるべきだ・こうあるだろう”という先入観に挑戦している。
個人的には楽しかったけれど、笑えない人には全く笑えない作品かもしれない。
『メリーに首ったけ』の“ヘア・ジェル”で笑えるようなら、観ても損はないと思う。
観れば、ありえないストーリー展開と、変な角度から不意に襲ってくるギャグの数々にびっくりするはずだ。
最後に待ち受けているのは、良質な余韻である。