『ブレックファスト・クラブ』は、補習にきた生徒5人が感情を剥き出しにしてぶつかりあう映画。
登場人物
アンドリュー
スポーツ馬鹿
(エミリオ・エステベス)
クレア
お姫様
(モリー・リングウォルド)
ブライアン
ガリ勉
(アンソニー・マイケル・ホール)
ジョン・ベンダー
不良
(ジャド・ネルソン)
アリソン
ネクラ女
(アリー・シーディ)
ヴァーノン
上記5名に補習を受けさせる教師
(ポール・グリーソン)
80年代には青春映画が流行った。
80年代の青春映画で人気を得た若手たちは一括りにして、ブラッド・パックと呼ばれた。筆頭はエミリオ・エステベスか。
本作品もヒットしたが、派手さはない。ほぼ密室の会話劇だ。
不良が中心となり、他の四人を刺激する。
彼らのやりとり・対立によって、関係性が見えてくる。つまり、誰がどの“階層”に属しているか、把握することができる。
五人は仲間ではない。スクール・カーストの上から下まで、全て揃っている。
Wikipediaによると、本作品によって、スクール・カーストの存在が明らかになったそうだ。
話を元に戻そう。
不良は粘着質で、陰湿だ。ガリ勉とお姫様の神経を逆撫でするようなことを口にして楽しんでいる。中心にいるのは、エステベス演じるスポーツ馬鹿ではなく、ジャド・ネルソン演じる不良である。だが他の四人も、変人と言って差し支えはない。
五人の特色はランチにも表れる。お姫様は寿司弁当を持参。ネタは生魚だ(笑)醤油と箸を使って食べる。スポーツマンはランチ大量。ネクラ女は食べ方が明らかにおかしい。品がない。ガリ勉は少食だ。
不良はランチを持ってきていない。突飛なことをして、教師がきれる。この教師、怒ってばかりで、面白味もないし、生徒と打ち解けることもない。歩み寄りもない。殺伐とした学園ドラマである。
五人の生徒はハッパを吸ってハイになり、感情をぶつけあい、自分をさらけ出す。みんな、それぞれ尖っているので、口を開けば衝突する。彼らの悩みは高校生にありがちなものだから、多くの人に受け入れられたのだろう。青春のひりひりした部分を炙り出した作品だが、ラストは甘さが勝る。目覚めのコーヒーに砂糖はいらない。