登場人物
ナワル・マルワン
レバノン出身の女性
(ルブナ・アザバル)
ジャンヌ・マルワン
ナワルの娘
(メリッサ・デゾルモー=プーラン)
シモン・マルワン
ナワルの息子、ジャンヌとシモンは双子
(マクシム・ゴーデット)
ルベル
ナワルの元雇い主で、彼女の遺言の公証人
(レミ・ジラール)
アブ・タレク
拷問人
(アブデル・ガフール・エラージズ)
双子のマルワン姉弟が母ナワルの故郷を訪れ、兄と父を捜す映画。
監督は『ボーダーライン』『ブレードランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ
- 発売日: 2013/11/26
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ナワルの遺言により、姉弟(ケベック在住)は初めて兄の存在を知る。
ナワルは父を捜して手紙を渡すことをジャンヌに、兄を見つけ出して手紙を渡すことをシモンに、それぞれ託す。
シモンは母によい感情を抱いていないこともあり、反発する。
ジャンヌは母の望みを叶えるため、1人で母の故国レバノンに向かう。
ジャンヌは理知的で、しっかり者だ。母の故郷を辿り、思いもよらなかった過去を知る。内戦中の出来事だから、母ナワルの体験は陰惨である。重い物語に触れたくないときは、本作品を観てはいけない。良作であることに異議はないが、目を背けたくなるシーンもある。
一方、頼りなく、斜に構えるシモンは、公証人ルベルに促され、共にレバノンへ行く。ルベルは金持ちで、人脈もあるらしく、地元の公証人に調査を依頼していた。そのおかげで、兄の存在はすぐにわかった。兄の過去も知った。兄の人生には、戦争が暗い影を落としていた。
この映画に出てくる子供たちは、とにかく、かわいそうだ。ジャンヌも、シモンも、彼らの兄も、彼らの父も、母のナワルも、かわいそうな子供である。
ちょっと踏み込んで言うが、事情を知った上であえて拷問人アブ・タレクを送り込んだとしたら、そいつの憎しみ・恨みは、あまりにも深い。
最終的に、母の愛で、その深すぎる穴を埋めることはできたのだろうか。